メルクマニュアル18版 日本語版
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栄養所要量

Margaret-Mary G. Wilson, MD

適切な栄養摂取が目指すものは,望ましい身体組成と,身体的および精神的活動を行うための高い能力を獲得,そして維持することである。エネルギーの摂取と消費のバランスをとることは,望ましい体重には欠かせない。エネルギー消費量は,年齢,性別,体重(栄養:一般的考察: 多量栄養素の推奨栄養所要量*食品栄養委員会(Food and Nutrition Board),米国アカデミー(National Academy)表 4: 表を参照),代謝活性,および身体活動によって決まる。エネルギー摂取が消費を上回れば,体重は増加する。エネルギー摂取が消費を下回れば,体重は減少する。

日々の食事による必須栄養素の必要量も,年齢,性別,体重,代謝活性および身体活動によって異なる。米国科学アカデミー/国家研究評議会(National Academy of Sciences/National Research Council)の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board)および米国農務省(US Department of Agriculture;USDA)は,5年ごとに,蛋白,エネルギー,一部のビタミンおよびミネラルについて推奨栄養所要量を発表している(RDA―栄養:一般的考察: 多量栄養素の推奨栄養所要量*食品栄養委員会(Food and Nutrition Board),米国アカデミー(National Academy)表 4: 表ビタミンの欠乏症,依存症,および中毒症: ビタミンの摂取源,働きおよび影響表 3: 表ミネラルの欠乏症および中毒症: ミネラルの1日当たり推奨摂取量*表 2: 表を参照)。あまり知られていないビタミンとミネラルについては,安全で適切な毎日の栄養摂取量が推計されている(4章および表5-2を参照)。

妊婦(妊婦へのアプローチと妊婦管理: 治療を参照 )および乳児(正常な乳幼児や小児の治療へのアプローチ: 栄養を参照 )については特別な栄養必要量がある。

USDAでは食物ガイドピラミッドを発表し,様々な食品群の1日当たりの推奨単位数を明示している(栄養:一般的考察: 1単位の量表 5: 表: 栄養:一般的考察: 単位の量 および 栄養:一般的考察: 1日に必要な食品の単位数表 6: 表: 栄養:一般的考察: 1日に必要な食品の単位数を参照)。一部の栄養士は,果物と野菜を高い比率で摂取することを推奨している。高齢者の場合は栄養所要量が異なるが,別の食物ガイドピラミッドが開発されている(栄養:一般的考察: 高齢者向けの毎日の食物ガイドピラミッド図 1: イラスト-1を参照)。水分を十分に摂取することは,このピラミッドの基本として強調されている。

図 1

高齢者向けの毎日の食物ガイドピラミッド

高齢者向けの毎日の食物ガイドピラミッド

表 5

1単位の量

食品群

1単位の量

パン,シリアル,米,パスタ

パン1枚

インスタントシリアル1オンス(28g)

調理済みシリアル,米またはパスタ1/2カップ(120mL)

果物

フルーツジュース3/4カップ(180mL)

リンゴ,バナナまたはオレンジ中1個,刻んだ果物や調理したものまたは缶詰1/2カップ(120mL)

肉,鶏肉,魚,卵,乾燥豆,ナッツ

調理済みの乾燥豆1/2カップ(120mL)

調理済みの赤身の肉,鶏肉または魚2/3オンス(57〜85g)

(卵1個またはピーナッツバター大さじ2杯<30mL>は赤身の肉1オンス<28g>として計算)

牛乳,ヨーグルト,チーズ

牛乳またはヨーグルト1カップ(240mL)

ナチュラルチーズ11?2オンス(43g)

プロセスチーズ2オンス(57g)

野菜

野菜ジュース3/4カップ(180mL)

生の葉野菜1カップ(240mL)

その他の調理済み野菜や刻んだ生野菜1/2カップ(120mL)

表 6

1日に必要な食品の単位数

食品群

カロリー数(kcal)

約1600

約2200

約2800

パン

6

9

11

果物

2

3

4

牛乳

2-3*

2-3*

2-3*

2(計5オンス[142g])

2(計6オンス[170g])

3(計7オンス[198.45g])

野菜

3

4

5

*妊娠期または授乳期の女性,青少年および若年成人(24歳まで)は,3単位分を要する。

脂肪は総カロリーの30%以下に抑え,また飽和脂肪酸およびトランス型脂肪酸が10%を超えないようにすべきである。飽和脂肪酸の過剰摂取は,アテローム動脈硬化の一因となる。飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸(PUFA)で代用すれば,アテローム動脈硬化のリスクを低下できる。栄養補助食品の常用には必要性も有益性もみられず,中には有害となるものもある。

最終改訂月 2007年7月

最終更新月 2005年11月

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