メルクマニュアル18版 日本語版
検索のヒント
ABCDEFGHI
JKLMNOPQR
STUVWXYZ
記号

セクション

トピック

直腸炎

直腸炎は直腸粘膜の炎症で,感染,炎症性腸疾患,または放射線照射により生じることがある。症状は直腸の不快感および出血である。診断はS状結腸鏡検査によるが,通常,培養および生検を同時に行う。治療は病因により異なる。

直腸炎は性感染症,特定の腸管感染症(例,カンピロバクター赤痢菌属サルモネラ属),炎症性腸疾患,または放射線治療が原因で生じることがある;抗生物質の使用歴と関連していることがある。性行為で感染する病原体は男性の同性愛者においてより一般的に直腸炎を引き起こす。免疫不全患者は特に単純ヘルペスおよびサイトメガロウイルスに感染するリスクが高い。

症状,徴候,診断

典型的に,患者は直腸出血または粘液の排泄を報告する。淋疾,単純ヘルペスまたはサイトメガロウイルスが原因の直腸炎は激しい肛門直腸痛を引き起こすことがある。

診断は直腸鏡検査またはS状結腸鏡検査を必要とし,これらの検査で炎症を起こした直腸粘膜が明らかになることがある。小さな不連続な潰瘍および小水疱はヘルペス感染を示唆する。塗抹標本を淋菌,クラミジア種,腸内病原体,およびウイルス性病原体の培養検査に提出すべきである。梅毒血清反応検査および糞便のクロストリジウム-ディフィシレ毒素検査を行う。時に,粘膜生検が必要である。大腸内視鏡検査は一部の患者において有用なことがある。

治療

感染性直腸炎は抗生物質で治療できる。非特異的直腸炎の男性同性愛者に対して,セフトリアキソン125mg,筋注にて1回(またはシプロフロキサシン500mg,経口にて1日2回,7日間)+ドキシサイクリン100mg,経口にて1日2回,7日間による経験的治療を行ってもよい。抗生物質関連直腸炎にはメトロニダゾール(250mg,経口にて1日4回)またはバンコマイシン(125mg,経口にて1日4回)を7〜10日間投与する。

放射線直腸炎は通常,外用ホルマリンを,侵された粘膜に注意深く適用することで効果的に治療される。代替療法として,局所コルチコステロイドの泡沫剤(ヒドロコルチゾン90mg)もしくは浣腸剤(ヒドロコルチゾン100mgまたはメチルプレドニゾロン40mg)を1日2回,3週間,またはメサラミン(4g)浣腸剤を就寝前に3〜6週間投与する。メサラミン坐薬500mg,1日1回もしくは2回,メサラミン800mg,経口にて1日3回,またはスルファサラジン500〜1000mg,経口にて1日4回を単独もしくは局所療法との併用で3週間以上投与しても有効であろう。これらの治療法に反応しない患者に,一連の全身性コルチコステロイドが有効なことがある。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

ページの先頭へ

前へ: 毛巣疾患

次へ: 肛門そう痒症

イラスト
個人情報の取扱いご利用条件