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単関節の痛みは1つの関節から生じるか,関節周囲の組織に関連するか,または関節周囲の組織から生じることもある(例,滑液包炎または腱炎)。関節内組織に由来する痛みは,しばしば炎症性の関節炎が原因であるが,非炎症性のこともある(例えば変形性関節症,関節内障)。
急性の単関節痛は,その原因(特に感染性[敗血症性]関節炎や結晶誘発性関節炎)によっては急速な治療を要するので,とりわけ迅速な診断を必要とする。これらの疾患はいずれも炎症性であり,関節滲出液を生じる。結晶誘発性関節炎は,通常は尿酸一ナトリウム(痛風)またはピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症(偽痛風)が原因である。急性単関節炎は,ときに乾癬性関節炎または様々な多関節炎症性関節炎の最初の症状でありうる。急性単関節炎のそれほど多くはない原因には,隣接した骨髄炎,骨梗塞,異物,関節出血(例,血友病または凝固障害),腫瘍などの障害がある。
評価
評価では,関節または関節周囲組織が症状の原因であるかどうかと,炎症の有無を判定すべきである。炎症があるかまたは診断が不明な場合は,多関節疾患および全身性疾患の徴候および症状の有無を調べ,全ての関節を診察すべきである。
病歴:
数時間にわたる重症の関節痛は,結晶誘発性(またはそれほど多くはない感染性)関節炎を示唆する。類似した症状の結晶誘発性関節炎が過去に発病していれば,再発を示唆する。痛風の危険因子には,男性であること,高齢,利尿薬または尿酸(尿酸塩)値を増すその他の薬物の使用などがある。感染症の危険因子には,免疫抑制療法またはコルチコステロイド療法,糖尿病,静注薬物の使用,感染症の関節外病巣,虫咬傷またはライム病流行地域における居住,過去の関節内コルチコステロイド投与,人工関節などがある。尿道炎は,反応性関節炎または淋菌感染症を示唆しうるが,淋菌性関節炎はしばしば尿道炎の症状なしに発病する。
休息時や活動開始時の痛みは炎症性の関節炎を示唆するが,運動により増強し,休息によって軽減する痛みは機械的疾患(例,変形性関節症)を示唆する。痛みが徐々に出現するのは,RAまたは非感染性関節炎で典型的であるが,特定の感染性関節炎(例,結核性,真菌性)でもありうる。
身体診察:
別の構造物の他動運動によって増強する痛み(例,膝痛を増強する股関節部の他動回旋運動)は,関連痛を示唆する。他動関節運動よりも自動関節運動で悪化する痛みは腱炎または滑液包炎を示す可能性があり;関節の炎症は,一般に関節の自動運動および他動運動の範囲を重度に制限する。関節の片側のみの圧痛または腫脹は,関節外(例,靭帯,腱,または滑液包)が起源であることを示唆する;関節のいくつかの側面に関する所見は,関節内に原因があることを示唆する。
熱感の増強と発赤は炎症を示唆するが,炎症のあるときはたいていの場合発赤はない。痛風は多くの様々な関節を個々にまたは複数侵すが,第1趾中足趾節関節の急性の痛みを伴う単関節炎(足部痛風)は特に痛風を示唆する。
検査:
滑液包炎および腱炎は,さらに検査することなく多くは診断しうる。重症または不明の急性単関節炎または腫脹のある滑液包炎では,滑液検査が必要であり,関節穿刺または滑液包の吸引により滲出液を確認すれば,特異的診断ができる(例,感染性関節炎の滑液中の微生物の培養)。
滑液中に結晶を発見すれば,結晶誘発性関節炎が確認されるが,共存する感染症を除外するものではない。骨の異常(例,骨折や感染症),ピロリン酸カルシウム沈着症(軟骨石灰化),または石灰沈着性関節周囲炎が推測される場合,一般的にはX線検査をすべきである。その他の検査は単に付加的ではあるが,考慮される診断に応じて実施する。血液検査(例,ESR,抗核抗体,リウマチ因子)は,本書の別の個所に記載されるように非感染性炎症性関節炎の原因を判定するのに有用でありうる。
治療
基礎疾患を治療する。関節の炎症は,通常NSAIDで対症的に治療する。炎症のない痛みは,通常アセトアミノフェンでより安全に治療する。副子または三角巾による関節固定は,ときに痛みを軽減しうる。温熱療法は関節周辺の筋痙攣を軽減し,寒冷療法は炎症性の関節疾患において鎮痛効果を示しうる。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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