メルクマニュアル18版 日本語版
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混合結合組織病(MCTD)

混合結合組織病は,SLE,全身性硬化症,多発性筋炎または皮膚筋炎,RAの臨床的特徴と,リボ核蛋白(RNP)抗原に対する非常に高力価の循環性抗核抗体とによって特徴づけられるまれな症候群である。手の腫脹,レイノー現象,多発性関節痛,炎症性筋疾患,食道運動の減弱,肺機能不全はよくみられる。診断は,臨床像,RNPに対する抗体,その他の自己免疫疾患に特異的な抗体を欠くことを組み合わせて行う。治療は,SLEに対する治療と同様であり,疾患が中等度または重度であればコルチコステロイドで治療する。

混合結合組織病(MCTD)は世界中の全ての人種に発生し,発生率が最も高いのは10代と20代である。原因は不明である。患者によってはこの疾患が典型的な全身性硬化症またはSLEに徐々に進行する。

症状と徴候

レイノー現象は,他の症状発現より何年も先に起こりうる。最初の症状発現はしばしば,初期のSLE,強皮症,多発性筋炎または皮膚筋炎,RAに似ている。最初の症状にかかわらず,限局的であった疾患は進行し,広範囲に広がり,臨床パターンは時間の経過とともに変化する傾向がある。

最も頻繁にみられる皮膚所見は手の腫脹であり,最終的には指がソーセージ状の外観になる。皮膚所見には,狼瘡または皮膚筋炎のような発疹がある。びまん性強皮症様の皮膚の変化や,指先の虚血性壊死または潰瘍は,MCTDではほとんどみられない。

ほぼ全ての患者に多発性関節痛があり,75%に明らかな関節炎がある。関節炎はしばしば非変形性であるが,RAの場合と類似したびらん性の変化と変形が存在することがある。圧痛の有無にかかわらず,近位筋の筋力低下はよくみられる。

腎疾患が約10%に発生し,多くの場合は軽度であるが,ときに病的状態または死亡の原因となる。三叉知覚神経障害は他の結合組織病よりも,MCTDにおいてより多く発生する。

診断

SLE,強皮症,多発性筋炎,RAを有すると思われる患者にさらに重複する特徴がみられるとき,MCTDを考慮すべきである。患者には最初に,抗核抗体(ANA)と,抽出核抗原(ENA)およびRNP抗原に対する抗体の検査をすべきである。これらの試験の結果がMCTDと矛盾しない場合(例,RNP抗体価が非常に高い)は,その他の診断の可能性を除外するために,γ-グロブリン値,血清補体価,リウマチ因子,抗Jo-1(抗ヒスチジルt-RNAシンテターゼ),ENAのリボヌクレアーゼ抵抗性スミス(Sm)成分に対する抗体,二本鎖DNAを調べるべきである。さらなる精密検査は症状と徴候に応じて,すなわち,筋炎,腎障害,または肺障害の症状発現には,それらの臓器の検査(例,CPK,MRI,筋電図,筋炎診断のための筋生検)を行う。

ほとんど全ての患者は,斑点状のパターンを示す蛍光抗核抗体の力価が高い(しばしば1対1000を超える)。 ENAに対する抗体は,通常,非常に高力価(1対100,000を超える)を示す。RNPに対する抗体は存在するが,ENAのリボヌクレアーゼ抵抗性Sm成分に対する抗体は存在しない。

リウマチ因子はしばしば陽性であり,力価は多くの場合高い。ESRはしばしば亢進する。

予後と治療

10年生存率は全体で80%であるが,予後は症状によって大いに異なる。死因には,肺高血圧症,腎不全,心筋梗塞,結腸穿孔,播種感染,脳出血などがある。患者によっては治療なしで長年にわたって寛解状態を維持する。

一般的な治療と初回の薬物療法は,SLEの場合と類似している。中等度または重度の疾患をもつ患者のほとんどは,特に早期に治療すれば,コルチコステロイドに反応する。軽度の疾患は,サリチル酸塩,その他のNSAID,抗マラリア薬,またはときに低用量のコルチコステロイドによりしばしば治療する。主要臓器の重度の障害は,通常,高用量のコルチコステロイド(例,プレドニゾン1mg/kg,1日1回経口投与)または免疫抑制薬を必要とする。患者が筋炎または全身性硬化症の特徴を示す場合,治療はそれらの疾患に関して行う。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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