メルクマニュアル18版 日本語版
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全身性エリテマトーデス(播種性紅斑性狼瘡)

全身性エリテマトーデス(SLE)は,慢性,多臓器性,自己免疫性病因の可能性の高い炎症性疾患であり,主に若い女性に発病する。一般によくある徴候は,関節痛および関節炎;頬部およびその他の皮膚発疹;胸膜炎または心膜炎;腎障害または中枢神経系障害;血液学的な血球減少などである。診断には,臨床的および血清学的な判定基準が必要である。重症の進行中の活動性疾患の治療には,コルチコステロイドが必要であり,しばしばヒドロキシクロロキン,ときに免疫抑制薬を必要とする。

全症例の70〜90%は女性(通常は妊娠可能年齢)である。SLEは白人より黒人により多くみられる。SLEは,新生児を含むあらゆる年齢の人に発病しうる。軽症型のSLEについての認識が高まったことで,世界的に報告される症例が増加している。いくつかの国では,SLEの有病率はRAと匹敵するほどである。SLEは,遺伝的素因のある人に自己免疫反応を引き起こす未知の環境刺激によって,おそらく誘発される。薬物(例,ヒドララジン,プロカインアミド)によっては,狼瘡様症候群を引き起こす。

症状と徴候

臨床所見はきわめて多様である。SLEは,熱を伴って突然発症することも,または数カ月もしくは数年の間に関節痛や倦怠感を繰り返しながら潜行的に進行することもある。血管性頭痛,てんかん,精神病が初期の所見であることもある。あらゆる器官系統に関係する症状が発現しうる。周期的な病状再燃(フレア)が起こりうる。

関節症状は,間欠性関節痛から急性多発性関節炎にまで及び,患者のおよそ90%に起こり,他の症状が現れる前に数年を経ることもある。ほとんどのループス多発関節炎は非破壊的および非変形性である。しかしながら,長期にわたる疾患では,変形が起こりうる(例,中手指節関節および指節間関節は,尺側偏位や骨性または軟骨びらんのないスワン-ネック変形[ジャコー関節炎]を発病することがある)。

皮膚病変には,一般に鼻唇溝部を除いた頬部の蝶形紅斑(平らまたは隆起した)を含む。丘疹と膿疱がないことは,この蝶形紅斑を酒さと区別するのに役立つ。多様なその他の紅斑性の硬い斑丘疹状病変は,顔面,首,上胸部,肘などの露出部を含み,あらゆるところに生じうる。皮膚の水疱形成と潰瘍化はまれであるが,粘膜の反復性潰瘍(特に,硬口蓋と軟口蓋の移行部に近い硬口蓋中央部,頬側や歯肉の粘膜,前鼻中隔)は一般的である。広汎性または限局性の脱毛は,SLEの活動期によくみられる。脂肪組織炎は,皮下の結節性病変を生じうる。脈管炎による皮膚病変は,手掌および手指の斑点状紅斑,爪周囲の紅斑,爪郭梗塞,じんま疹,および明白な紫斑などがありうる。点状出血が血小板減少に続いて起こることがある。光過敏性は患者の40%にみられる。

心肺症状には,胸膜滲出液の有無にかかわらず再発性の胸膜炎がよくみられる。肺炎はまれであるが,肺機能の軽度の障害はよくみられる。重度の肺出血がときに起こり,死亡率は50%である。その他の合併症は,肺塞栓,肺高血圧症,萎縮性肺症候群などがある。心臓合併症には,心膜炎(最も多くみられる),心膜液貯留,心筋炎がある。まれに起こる重篤な合併症は,冠状動脈血管炎とリブマン-サックス心内膜炎である。加速性のアテローム性動脈硬化症は,罹病率と死亡率の増加原因である。先天性心ブロックは,新生児に起こりうる。

全身性リンパ節腫脹はよくみられ,特に小児,若い成人,黒人に多い。脾腫は患者の10%にみられる。脾臓は動脈周囲に線維化を起こす。

神経学的症状は,中枢または末梢の神経系または髄膜のあらゆる部分の障害から起こりうる。軽度の認知障害はよくある。さらに,頭痛,人格変化,虚血性脳卒中,クモ膜下出血,痙攣,精神病,器質性脳症候群,無菌性髄膜炎,末梢神経障害,横断性脊髄炎,小脳機能不全などがみられる。

腎臓障害はいつでも発症する可能性があり,SLEの唯一の徴候であることもある。腎障害は,無症状で良性であることもあるが,進行性で致死的であることもある。腎病変の重症度は,限局性の通常は良性の糸球体炎から,びまん性で致死的となりうる膜性増殖性糸球体腎炎まで多様である。一般によくある徴候は,蛋白尿(最も多い),赤血球円柱および白血球に現れる尿沈渣の異常,高血圧,浮腫などである。

産科の徴候には,妊娠の早期および後期の胎児死亡がある。しかしながら,妊娠は(特に寛解して6〜12カ月以降は)成功しうる(妊娠中の合併症: 全身性エリテマトーデス(SLE)を参照 )。

血液学的な徴候には,貧血症(しばしば自己免疫溶血性),白血球減少症(<

1500/μLのリンパ球減少症を含む),血小板減少症(ときに致死的な自己免疫性血小板減少症)などがある。再発性の動脈または静脈の血栓,血小板減少症,再発性の動脈または静脈の血栓,血小板減少症,高確率で起こる産科的合併症が,抗リン脂質抗体を有する患者に起こる。SLEの合併症の多くは(産科的合併症を含めて)血栓症により説明しうる。

胃腸症状は,腸管の脈管炎または腸蠕動の減少から起こりうる。さらに,膵炎はSLEにより,またはコルチコステロイドもしくはアザチオプリンによる治療の結果起こりうる。症状には,漿膜炎に起因する腹痛,悪心,嘔吐,腸穿孔症状,偽性閉塞が含まれることがある。SLEが実質性肝疾患を引き起こすことはまれである。

診断

特に若い女性で,何らかのSLEの症状および徴候がある患者ではSLEを疑うべきである。しかしながら,SLEの初期の段階は,関節炎の症状が優勢である場合,RAを含むその他の結合(または非結合)組織疾患に類似する。混合結合組織病はSLEに類似していることがあるが,さらに全身性硬化症,リウマチ様多発関節炎,多発性筋炎または皮膚筋炎の特徴を伴うことがある。治療に起因する免疫抑制の結果として発病する感染症もまた,SLEに類似していることがある。

臨床検査は,SLEをその他の結合組織疾患と鑑別する;抗核抗体(ANA),CBC,尿検査,腎機能検査および肝臓機能検査を含む化学プロフィールを得るべきである。SLEの診断は,自己免疫リウマチ性疾患: SLE患者に分類するための判定基準*表 1: 表の判定基準のうちの4つ以上が常に存在していれば特に可能性が高く,また4つ未満でも可能性はある。SLEであると推測されるが,診断が確定ではない場合,自己抗体の追加的な検査が有用でありうる。診断を確定するには,数カ月または数年にわたって反復評価を必要とすることがある。

表 1

SLE患者に分類するための判定基準*

臨床研究の報告でSLE患者として分類するには,以下のうちの少なくとも4つを必要とする。

頬部紅斑

円柱状紅斑

光線過敏

口腔内潰瘍

関節炎

漿膜炎

腎障害

白血球減少症(< 4000/μL),リンパ球減少症(<1500/μL),溶血性貧血,または血小板減少症(< 100,000/μL)

神経障害

陽性の抗DNA抗体もしくはSm抗抗体,または抗リン脂質抗体に対する陽性検査

抗核抗体の高値

*これらの11の判定基準は米国リウマチ学会の分類基準であり,診断の補助にもしばしば使用される。SLEの診断をするために少なくとも4つの判定基準が必要ではないけれども,この判定基準はSLEの症状の認識に役立つ。

ANAの蛍光検査は,SLEのスクリーニングに最適であり,SLE患者のうち98%を超える人がANA検査に陽性を示す(通常は高力価:> 1:80)。しかしながら,RA,その他の結合組織病,悪性腫瘍の患者も,さらには健常な人の1%さえもANA検査で陽性を示しうる。ヒドララジン,プロカインアミド,β-遮断薬,腫瘍壊死因子(TNF)-α拮抗薬のような薬物は,ループス(狼瘡)様症候群と同様にANA検査結果を陽性にしうるが, 薬物の投与を中止すると,ANAは最終的には陰性になる。 ANAが陽性であれば,抗二本鎖DNA抗体の検査を迅速にすべきであり,高値であることはSLEにきわめて特異的であるが,SLE患者のわずか25〜30%にしか示されない。

SLEの診断が別の方法でも明らかでない場合は,その他のANAや抗細胞質抗体(例,Ro[SSA],La [SSB],Sm,RNP,Jo-1)を調べるべきである。Roは,主に細胞質であり,抗Ro抗体は,ときに慢性皮膚ループスを示すANA陰性のSLE患者に存在する。抗Ro抗体は新生児ループスと先天性心ブロックの原因抗体である。抗Sm抗体はSLEにきわめて特異的であるが,抗2本鎖DNA抗体と同様に感度が高くない。

白血球減少症はよくみられ,疾患が活動性であればリンパ球減少症が起こる。溶血性貧血を起こしうる。SLEの血小板減少症を特発性血小板減少性紫斑病と鑑別することが,患者がANA陽性であることを除いては困難または不可能である。SLE患者の5〜10%が梅毒血清検査に偽陽性を示す。それはループス抗凝固因子や部分トロンボプラスチン時間(PTT)の延長と関連している可能性がある。これらの検査の1つ以上に異常な値が示された場合,抗リン脂質抗体(例,抗カルジオリピン抗体)の存在が示唆され,次には直接ELISA(enzyme-linked immunosor-bent assay,酵素結合イムノソルベント検定法)で測定すべきである。β2-糖蛋白Iに対する抗体は,おそらくより感度が高い。抗リン脂質抗体陽性例は,動脈または静脈の血栓,血小板減少症,さらに妊娠中は自然流産または後期死産が起こりうる。

その他の試験は,重症度を監視し,治療の必要性を判定するのに役立つ。血清補体価(C3,C4)は疾患が活動時にはしばしば抑制され,通常は活動性腎炎の患者で最も低い。ESRは疾患の活動期にはほぼ一様に上昇する。C反応性蛋白(CRP)値を測定する必要はない(SLE患者の場合,ESRが100mm/時を超える場合でさえ顕著に低い)。

腎臓障害のスクリーニングは,尿検査から始まる。RBC(赤血球)と顆粒円柱は活動性腎炎を示唆する。尿検査は定期的に,場合によって6カ月毎に,見かけ上寛解している患者にも実施すべきである。しかしながら,生検で実証された腎障害にもかかわらず,尿検査は繰り返し正常でありうる。腎生検は,SLEの診断や腎障害の確認のためには通常は必要ないが,腎疾患の状態を評価(すなわち,活動性の炎症か,炎症後の瘢痕かを判定)し,治療法を指導するために役立ちうる。慢性腎機能不全症と大部分が硬化した糸球体を有する患者は,積極的な免疫抑制療法により利益を得る可能性は低いようである。

予後

経過は通常,慢性,再発性で予測が不可能である。寛解は,何年も持続することがある。初期の急性期がコントロールされる場合, たとえきわめて重症である(例,脳血栓症または重症の腎炎)としても,長期的な予後は通常良好である。ほとんどの先進諸国の10年生存率は,95%を超える。予後が改善されたのは,一部には早期の診断と有効な治療法に起因する。より重症の疾患にはより毒性の強い治療法が必要であり,それは死亡のリスクを増大する。そのような合併症の例には,免疫抑制による感染症と,長期間にわたるコルチコステロイド投与による冠動脈疾患または骨粗鬆症が含まれる。

治療

治療を簡単にするために,SLEを,軽度(発熱,関節炎,胸膜炎,心膜炎,頭痛,発疹)または重度(例,溶血性貧血,血小板減少性紫斑病,広範囲の胸膜および心膜の障害,重大な腎障害,四肢や胃腸管の急性脈管炎,病勢盛んな中枢神経系障害)に分類すべきである。

軽度または弛張性の場合: ほとんどまたは全く治療が必要ないことがある。関節痛は通常,NSAIDによりコントロールする。アスピリン(80〜325mgを1日1回)は,抗カルジオリピン抗体と関連する血栓傾向の患者と血栓事象がこれまでにない患者に有用であるが,SLE患者に大量投与すると肝毒性を起こしうる。抗マラリア薬は,特に関節と皮膚症状が著明であるときに有用である。ヒドロキシクロロキン200mgの1日1回または1日2回の経口投与がよく行われる。その他の選択肢には,クロロキン250mg,1日1回の経口的投与や,キナクリン50〜100mg,1日1回の経口的投与などがある。これらの薬物の併用もときに行われる。ヒドロキシクロロキンは,網膜毒性を発生しうる。眼を6カ月毎に検査すべきである。

重度の場合: 重度の場合:コルチコステロイドは,第一選択の治療法である。プレドニゾンと免疫抑制薬の併用は,活動性で重篤なCNSループス,特に内臓または神経を侵す脈管炎,活動性で可逆性のループス腎炎に推奨される。プレドニゾンは通常40〜60mgを1日1回経口投与するが,用量はSLEの症状に応じて変わりうる。経口アザチオプリン1〜2.5mg/kg,1日1回投与または経口シクロホスファミド1〜4mg/kg,1日1回投与を,免疫抑制薬として使用しうる。腎障害には,毎日の経口投与の代わりにシクロホスファミドの“適用量”を通常間欠的に静注し,例えば,約500mg〜1g/m2 を(膀胱を保護するためにメスナおよび補液とともに)6カ月間は毎月静注し,その後18カ月間は3カ月に1回静注する(腎毒性または血液学的毒性があれば頻度を減らす(自己免疫リウマチ性疾患: シクロホスファミドおよび静注メスナによる化学療法の手順表 2: 表を参照))。

表 2

シクロホスファミドおよび静注メスナによる化学療法の手順

治療の全体を通じて許容度に関して一定の管理を行う。

1. 50mlの生理食塩水にオンダンセトロン10mgとデキサメタゾン10mgを混合し,10〜30分かけて注入する。

2. 250mlの生理食塩水にメスナ250mg(膀胱刺激性であるシクロホスファミドの代謝産物のアクロレインを結合するために使用)を混入し,1時間かけて注入する。

3. 250mlの生理食塩水にシクロホスファミド8〜20mg/kgを混入し,1時間かけて注入する。患者は,2回目のメスナの注入を始める前に2時間待つ必要がある。

4. 250mlの生理食塩水にメスナ250mgを混入し,別の静注部位から注入する500mlの生理食塩水とともに注入する(すなわち,500mlの生理食塩水はフラッシングに使用)。患者は,翌朝にオンダンセトロン8mgを経口的に服用しなければならない。

CNSループスまたはその他の危機的症状には,3日連続でメチルプレドニゾロン1gの緩徐な(1時間)静注がしばしば初期の治療法であり,その後,前述のように静注シクロホスファミドを静注する。ミコフェノール酸モフェチル500〜1000mgの1日1回または1日2回の経口投与は,腎性SLEに対するシクロホスファミドに代わるものである。5日間連続の免疫グロブリンG(IgG)400mg/kg,1日1回静注は,抵抗性血小板減少症に有用でありうる。幹細胞の動員後のシクロホスファミド2g/m2の静注を伴った幹細胞の移植は,抵抗性SLEの患者に試験的に施行されている。移植は,末期腎疾患に適用しうる。

重度のSLEの改善にはしばしば4〜12週間を要し,コルチコステロイドを減らすまでは明らかにならないことがある。大脳,肺,胎盤の血管の血栓症または塞栓症は,ヘパリンによる短期的な治療とワルファリンによる長期的な治療を必要とし,国際標準比3を目標とする(ときに生涯にわたる)。

抑制的治療: ほとんどの患者において,高用量コルチコステロイドの投与を延長しなくても再燃の危険性を減らすことができる。慢性疾患は,最小用量のコルチコステロイドと炎症をコントロールするその他の薬物(例,抗マラリア薬,低用量免疫抑制薬)で治療すべきである。抗2本鎖DNA抗体価または血清補体価の低値を追跡調査しうるけれども,治療は主として臨床的特徴に応じて行うべきである。患者が長期的に高用量コルチコステロイドを必要とする場合,代替の経口免疫抑制薬の投与を考慮すべきである。長期のコルチコステロイド療法を受けている患者には,Ca,ビタミンD,ビスホスホネートによる治療を考慮すべきである。

限局性の合併症と共存する病態: 長期的な抗凝固療法は,抗リン脂質抗体と再発性の血栓症の患者にとって重要である(末梢静脈およびリンパ管疾患: 抗凝固薬を参照 )。

妊娠した患者が抗リン脂質抗体を有する場合,血栓合併症はコルチコステロイド(プレドニゾン30mg以下を1日1回),低用量アスピリン,ヘパリンによる抗凝血療法によって避けうる。妊娠の第2トライメスターおよび第3トライメスターを通して1錠の小児用アスピリンと併用または単独で毎日ヘパリンを皮下投与することが最も成功率の高い予防法である。

ループスの亜型

エリテマトーデス(DLE): 円板状エリテマトーデスは,ときに慢性皮膚エリテマトーデスとも呼ばれ,全身性障害の有無にかかわらずループスの一部として各種の皮膚変化が生じることがある。皮膚病変は紅斑に始まり,萎縮性瘢痕へと進行する。それらは,顔や,頭皮,耳のような皮膚の露光部に好発する。未治療の場合,病変は拡大し,中央が萎縮して瘢痕を生じる。広範な瘢痕化した脱毛がありうる。粘膜障害が,特に口によくみられる。

典型的な円板状の病変を示す患者は,SLEであるかどうかを評価すべきである。2本鎖DNAに対する抗体は,必ずといっていいほど円板状エリテマトーデス患者にはない。皮膚病変の活動性縁辺の生検によって,円板状エリテマトーデスを全身性エリテマトーデス(SLE)と鑑別しえないけれども,その他の疾患(例,リンパ腫またはサルコイドーシス)を除外しうる。

早期の治療により永久的な萎縮症を予防しうる。日光または紫外線への暴露は,最小限にすべきである(例,屋外では強力な日焼け止めを使用する)。局所用コルチコステロイドの軟膏(特に乾燥皮膚に)またはクリーム(軟膏より油分が少ない)を1日3〜4回塗布すると(例,トリアムシノロンアセトニド0.1%または0.5%,フルオシノロン0.025%または0.2%,フルランドレノリド0.05%,吉草酸ベタメタゾン0.1%,および,特にジプロピオン酸ベタメタゾン0.05%)通常は小さな病変を退縮させうるが,過度にまたは顔(皮膚の萎縮を起こす)に使用すべきではない。抵抗性の病変は,フルランドレノリドを塗布したプラスチックテープで覆う。その代わりとして,トリアムシノロンアセトニドの0.1%懸濁液の皮内注射(1部位につき0.1mL未満)は病変を解消しうるが,二次性の萎縮が続いて生じることがよくある。抗マラリア薬(例,ヒドロキシクロロキン200mg,1日1回または1日2回の経口投与)は有用である。抵抗性症例では,併用療法(例,ヒドロキシクロロキン200mg/日とプラスキナクリン50〜100mg,1日1回の経口投与)を数カ月から数年間続けることが必要なことがある。

亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE): 亜急性皮膚エリテマトーデスは,皮膚障害が顕著であるSLEの亜型である。亜急性皮膚エリテマトーデスの患者は,広範囲にわたる再発性の皮膚発疹を生じる。輪状または丘疹鱗屑性の病変が,顔,腕,体幹に生じる。病変は通常光線過敏性で,色素脱失を示すことがあるが,瘢痕化はまれである。関節炎と疲労は亜急性皮膚エリテマトーデスの患者によくみられるが,神経症状および腎症状はみられない。患者は,ANA(抗核抗体)陽性またはANA陰性でありうる。ほとんどの患者が,Ro(SSA)に対する抗体を有する。母親にRo抗体があれば,その乳児は,先天性の亜急性皮膚エリテマトーデスまたは先天性の心ブロックを有する可能性がある。亜急性皮膚エリテマトーデスは全身性エリテマトーデス(SLE)と同様に治療すべきである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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