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脊椎の脱臼と亜脱臼(部分脱臼)は,通常明らかな外傷に起因する。しかしながら,環軸関節亜脱臼と脊椎すべり症は,軽微なまたは無認識の外傷により生じうる。まれに,頸部椎間板疾患も脊椎の非外傷性亜脱臼を生じることがある。
環軸関節亜脱臼
(C1-C2亜脱臼)
環軸関節亜脱臼は第1頸椎と第2頸椎間の不整列であり,頸部の屈曲のみで起こりうる。
環軸関節亜脱臼は,高速度減速のような重大な外傷の結果として起こりうるが,外傷のない,RA,若年性RA,強直性脊椎炎の患者に生じることがある。環軸関節亜脱臼は通常無症候性であるが,漠然とした頸部痛,後頭部痛,またはときに間欠的な(そして致死的な可能性のある)頸部の脊髄圧迫を生じることがある。
環軸関節亜脱臼は,通常頸部の単純X線像で診断するが;単純X線像は,屈曲位を撮影しない限り間欠的な亜脱臼を示すことはない。患者が自分で頸部を屈曲すると,頸椎全体の動的不安定性が示される。X線像が正常であって亜脱臼が強く疑われる場合,より感度が高いMRI検査を行うべきである。MRIはさらに脊髄圧迫について最も感度の高い評価を提供するので,
脊髄圧迫が疑われる場合は直ちに実行する。
治療の適応症は,痛み,神経学的欠落所見,潜在的な脊椎不安定性がある。治療は,対症療法と頸部の固定であり,そして,通常硬性頸椎カラーの装着から始める。脊椎を安定させるために手術が必要なこともある。
脊椎すべり症
脊椎すべり症は,腰椎の亜脱臼であり,通常青年期に起こる。脊椎すべり症は,関節間部の先天性欠損(脊椎分離症)のためにしばしば生じる。
脊椎すべり症は通常固定化する。それは,通常L3-L4,L4-L5,またはL5-S1の脊椎骨を侵す。脊椎すべり症は,加速―減速損傷のような重大な外傷の結果として起こることがある。重大な外傷に起因する脊椎すべり症の患者は,脊髄圧迫またはその他の神経学的欠落症状がありうる(脊髄障害: 脊髄圧迫を参照 )が,それはまれである。脊椎すべり症は,スポーツマンまたはきわめて軽微な外傷を負った青年または若年成人にしばしば起こるが,その理由は,
関節間部に基礎となる先天性欠損があって腰椎が弱くなっているからである。この欠損部は,容易に骨折し;骨折断片の分離は,亜脱臼を引き起こす。脊椎すべり症は,さらに根底に変形性関節症を有する60歳を超える患者でも軽微な外傷で起こりうる。
脊椎すべり症は,隣接した椎体の亜脱臼の程度によって段階づける。Ⅰ期の脊椎すべり症は0〜25%;Ⅱ期は25〜50%;Ⅲ期は50〜75%;Ⅳ期は75〜100%の亜脱臼に対応する。Ⅰ期またはⅡ期の脊椎すべり症は,特に若い患者では,痛みがないかまたはごく軽微な痛みを引き起こすにすぎないことがある。脊椎すべり症は,その後の脊椎狭窄の進行の素因となりうる。脊椎すべり症は,腰椎の単純X線像上で明白である。他の筋骨格性腰痛の原因に対してと同様,治療は通常対症的である。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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