メルクマニュアル18版 日本語版
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良性骨腫瘍

骨軟骨腫: 骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)は最もよくみられる良性骨腫瘍であり,いかなる骨にも発症しうるが,長管骨の骨端付近に発症する傾向がある。骨軟骨腫は10〜20歳に最も多く発症し,単発性または多発性である。多発性骨軟骨腫は家族性である傾向がある。二次性悪性軟骨肉腫は多発性骨軟骨腫患者の約10%に現れるが,単発性骨軟骨腫患者では1%未満である。

腫瘍が神経に近いか,痛みを生じるか(特に骨折している場合),成長を妨げるか,そのX線像が悪性の軟骨肉腫への転換を示唆する場合,切除またはその他の治療が必要である(骨と関節の腫瘍: 軟骨肉腫を参照 )。

軟骨腫: 軟骨腫はいずれの年齢にも起こりうるが,成人に発生する傾向がある。軟骨腫は通常骨髄腔内に位置する。これらの腫瘍は通常無症候性であるが,腫大し,痛みを生じることもある。これらは別の理由でX線撮影をしたときにしばしば偶然に見つかる。X線上ではこれらの腫瘍は点状に石灰化している領域があり,骨融解性の様相を示しうる。軟骨腫は通常,骨スキャンで陽性であるために,悪性腫瘍の心配をもたらす。X線所見は診断に役立つことがある;それが役立たないかまたは腫瘍に痛みがある場合,診断は生検によって確認すべきである。

無症候性軟骨腫は切除もその他の治療も必要としないが,病気の進行を見逃さないためにX線により経過観察することが望ましい。経過観察は,6カ月後と1年後,または何らかの症状が発現するたびに行う。

軟骨芽細胞腫: 軟骨芽細胞腫はまれな疾患であるが,10〜20歳に最も多く発症する。この腫瘍は骨端に発生し,増殖し続けて骨を破壊する。X線上で,軟骨芽細胞腫は点状の石灰沈着を伴う嚢胞としてみられる。軟骨芽細胞腫は外科的に切除しなければならない。

軟骨粘液線維腫: 軟骨粘液線維腫はきわめてまれであり,30歳前に発生する。X線上の外観(通常は偏心性の境界明瞭な骨融解性病変を示し,長管骨骨端付近に位置する)により診断される。治療は外科的切除または掻爬である。

類骨骨腫: 類骨骨腫は,若年の成人に発症する傾向があり,いずれの骨にも発生しうるが,長管骨に最も多い。類骨骨腫は痛みを引き起こしうる(通常は夜間に増悪)が,軽い鎮痛薬(特にアスピリン)によって軽減される。理学所見で局所筋肉の萎縮がみられることがある。X線上で特徴的な外観は広範囲の硬化領域に囲まれた小さな骨透亮帯である。腫瘍が疑われる場合,テクネチウム99m骨スキャンを実行すべきである;類骨骨腫は高集積領域として現れる。小さな骨透亮帯を外科的にまたは経皮的高周波焼灼により除去すると永久的な寛解が得られる。

良性巨細胞腫: 良性巨細胞腫は20代と30代に最も多く発生し,骨端に生じ,周囲の骨を侵食し,軟部組織に広がることがある。巨細胞腫は再発する傾向があることはよく知られている。まれに巨細胞腫は,たとえそれが組織学的に良性でも転移する可能性がある。良性巨細胞腫は,X線上では骨融解性のように見える。ほとんどの良性巨細胞腫は掻爬とメチルメタクリレートの充填により治療する。腫瘍がきわめて大きい場合,完全切除が必要でありうる。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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