メルクマニュアル18版 日本語版
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胸腔鏡検査およびビデオ補助胸腔鏡手術

胸腔鏡検査は胸腔の中に内視鏡を入れて行う。胸腔鏡検査は胸腔内の観察(胸膜鏡検査)のために,または外科的手技のために用いられる。外科的胸腔鏡検査は,ビデオ補助胸腔鏡手術(VATS)と呼ばれることのほうが多い。胸膜鏡検査は内視鏡検査室で意識下鎮静で行われるのに対し,VATSは全身麻酔が必要で,通常手術室で行われる。両手技では,はっきりした視野を得るために気胸を誘発させる。

胸腔鏡検査は,非侵襲的な検査では滲出性胸水ならびに種々の胸膜病変および肺病変の診断が確定できないときに,それらを評価するために用いる。胸膜の悪性疾患および結核疾患に対する診断精度は95%である。また,この手技は,再発性悪性胸水の患者に対する胸膜癒着術に,また膿胸の患者において小房体を壊すのに用いられる。

VATSの適応は,原発性自然気胸の治療,肺気腫における肺嚢胞切除術および肺容量減少術,楔状切除術,および一部の病院では肺葉切除術および肺切除術さえも含まれる。適応症には,あまり一般的ではないが,良性縦隔腫瘍の切除,食道癌の生検と病期分類,重症の多汗症またはカウザルギーに対する交感神経切除,および肺,胸膜,横隔膜の外傷の修復などがある。

禁忌は胸腔穿刺のときと同じである;胸膜腔が癒着により閉塞している場合は絶対的禁忌である。血流の豊富な癌,重症の肺高血圧症,重症の嚢胞性肺疾患の患者では,生検は禁忌である。

胸膜鏡検査は呼吸器内科医が行うこともあるが,VATSは胸部外科医が行う。両手技は胸腔チューブ挿入と類似している;トロッカーを皮膚切開部より肋間腔に挿入し,トロッカー内を通過させて胸腔鏡を挿入する。さらに切開することによりビデオカメラや付属機器の使用が可能になる。

胸腔鏡検査後には,胸腔チューブが通常1〜2日間必要である。合併症は胸腔穿刺と同じである。術後の発熱は一般的である(16%);エアリークを引き起こす胸膜の破れおよび/または皮下気腫はそれより少ない(それぞれ2%)。出血,肺穿孔,ガス塞栓は,生じた場合は重篤となるが,まれにしか生じない。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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