メルクマニュアル18版 日本語版
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大気汚染に関連する疾患

先進国における大気汚染物質の主成分は,二酸化窒素(化石燃料の燃焼による),オゾン(二酸化窒素や炭化水素への太陽光の影響による),および固体または液体の浮遊粒子である。発展途上国ではバイオマス燃料の燃焼もまた,室内の粒子状物質の重要な発生源である。受動喫煙も大気汚染関連であると考えられうる。

大気汚染の肺疾患への影響は高濃度汚染では大きいことがあり,喘息およびCOPDの増悪の引き金となりうる。交通量の多い地域の住民では,特に大気温の逆転現象により空気停滞が生じた場合にリスクが高くなる。いわゆる基準大気汚染物質(窒素酸化物,硫黄酸化物,オゾン,一酸化炭素,鉛,粒状物質)のうち,一酸化炭素と鉛だけが気道反応性亢進に影響がない。長期暴露により一般人口,特に小児で,呼吸器感染の増大および症状の悪化を招きうる。

スモッグの主成分であるオゾンは,呼吸器の強力な刺激性および酸化性物質である。オゾン濃度は夏や昼前と午後の早い時間に最も高くなる。短期間の暴露では,呼吸困難,胸痛,気道反応性が生じうる。オゾン汚染の高い日中に屋外運動に参加する小児は,喘息発症の可能性が高くなる。長期間オゾンに暴露すると,わずかであるが恒久的な肺機能の低下を生じる。

硫黄含有量の高い化石燃料が燃焼して生じる硫黄酸化物は,溶解性の高い酸性のエアロゾルを発生させ,それが上気道に沈着することがある。硫黄酸化物は気道の炎症を引き起こす可能性があり,そのために,気管支収縮が引き起こされうるだけでなく,慢性気管支炎のリスクが増大する可能性もある。

粒子状の大気汚染物質は,化石燃料の燃焼(特にディーゼル)に由来する複雑な混合物である。その粒子は局所的にも全身性にも炎症作用があり,そのため呼吸器系と心血管系の双方の健康に影響を及ぼすと考えられる。超微粒子(2.5μm未満)はより大きい粒子に比べ,質量当たりの炎症反応性が高い。現在までのデータによると,粒子状の大気汚染物質はあらゆる原因による死亡率,特に心血管系および呼吸器系の疾患による死亡率を高める。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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