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縦隔腫瘤は様々な嚢胞および腫瘍に起因する;考えられる原因は,患者の年齢,および腫瘤が前縦隔,中縦隔,または後縦隔のいずれに発生するかで異なる。縦隔腫瘤は無症状の場合(成人において),または閉塞性の呼吸器症状を引き起こす場合(小児において)がある。検査には生検を伴うCTスキャンおよび必要に応じて補助検査がある。治療は原因によって異なる。
分類と病因
縦隔腫瘤は,腫瘤が前縦隔,中縦隔,または後縦隔のいずれに発生するかで分類される。部位ごとに特徴のある病変を有する(
縦隔および胸膜の疾患: 部位別の縦隔腫瘤に関する一般的な診断上の可能性。図 1: を参照)。前縦隔は,胸骨から後方へ心膜および腕頭動静脈まで広がる。中縦隔は前縦隔と後縦隔の間にある。後縦隔は,前方は心膜と気管に,後方は脊柱に接している。
小児において最も一般的な縦隔腫瘤は,神経原性腫瘍および嚢胞である。成人では,神経原性腫瘍および胸腺腫が最も一般的な前縦隔病変である;リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキンとも)は20歳から40歳の間に最も高頻度で前縦隔に発生する。
症状と徴候
縦隔腫瘤の症状と徴候は部位によって異なる。多くは無症状である。一般に,悪性病変は良性病変よりも症状を呈する傾向がはるかに高い。最もよくみられる症状は胸痛および体重減少である。小児の場合,縦隔腫瘤は,気管気管支の圧迫および喘音または再発性気管支炎もしくは肺炎の症状を引き起こす可能性が高い。大きな前縦隔腫瘤は仰臥位のときの呼吸困難の原因となりうる。中縦隔の病変は血管または気道を圧迫し,上大静脈症候群または気道閉塞を引き起こしうる。後縦隔の病変は食道を侵害し,嚥下障害あるいは嚥下痛を生じさせうる。
診断
縦隔腫瘤は,胸部症状の検査中に,胸部X線などの画像検査で偶然発見されることが最も多い。追加的な診断検査は,通常画像検査および生検であるが,病因を確定するため適応となる。
静注造影剤を用いるCTスキャンは最も役に立つ画像診断法である。胸部CTにより,脂肪および液体で満たされた嚢胞などの正常変異および良性腫瘍は他の病変と区別することが可能である。針吸引または針生検を用いて,多くの縦隔腫瘤に対して確定診断が得られる。通常,癌病変には細針吸引法で十分であるが,リンパ腫,胸腺腫または神経腫瘤が疑われるときは常に角針を用いた生検を行うべきである(
縦隔および胸膜の疾患: 縦隔腫瘤の鑑別診断表 1: を参照)。結核が疑われる場合はPPD(精製蛋白誘導体)検査を行う。異所性甲状腺が考えられる場合,甲状腺刺激ホルモンを測定する。
治療
治療は病因により異なる。心膜嚢胞などの良性病変は経過観察でよい。ほとんどの悪性腫瘍は外科的に切除されるべきであるが,中には,リンパ腫など,化学療法を用いて治療するのが最良なものもある。肉芽腫性疾患は適切な抗菌薬で治療すべきである。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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