メルクマニュアル18版 日本語版
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胸壁腫瘍

原発性胸壁腫瘍の割合は,全ての胸部腫瘍の5%および全ての原発腫瘍の1〜2%である。約半数が良性で,その中で最も一般的なのは,骨軟骨腫,軟骨腫,および線維性骨異形成である。様々な悪性胸壁腫瘍が存在する。半数以上が遠隔臓器からの転移または隣接臓器(乳房,肺,胸膜,縦隔)からの直接的な浸潤である。胸壁から生じる最も一般的な悪性原発腫瘍は肉腫である;そのうち約45%が軟組織から発生し,約55%が軟骨組織または骨組織から発生する。軟骨肉腫は最も一般的な原発性の骨性胸壁肉腫で,肋骨の前側領域において,および,あまり一般的ではないが,胸骨,肩甲骨,または鎖骨から生じる。骨腫瘍は他にも骨肉腫および小細胞悪性腫瘍(ユーイング肉腫,アスキン腫瘍)などがある。軟組織の原発性悪性腫瘍で最も一般的なのは,線維肉腫(デスモイド腫瘍,神経線維肉腫)および悪性線維性組織球腫である。他の原発腫瘍には,軟骨芽細胞腫,骨芽細胞腫,黒色腫,リンパ腫,横紋筋肉腫,リンパ管肉腫,多発性骨髄腫,および形質細胞腫などがある。

症状,徴候,診断

軟組織の胸壁腫瘍は,しばしば他の症状を伴わない限局性の腫瘤として現れる。患者の中には発熱するものもいる。患者は,腫瘍がさらに進行しない限り,通常,痛みを感じない。対照的に,原発性の軟骨腫瘍および骨腫瘍はしばしば痛みを伴う。

胸壁腫瘍を有する患者は,原発部位および腫瘍の広がり,ならびに腫瘍が原発性胸壁腫瘍か転移腫瘍かを判断するために,胸部X線,CT,および,ときにMRIを必要とする。生検は診断を確定する。

予後と治療

予後は細胞の種類および病期によって異なる,いずれの腫瘍も発生率が低いため確固たる結論が制限される。肉腫は最もよく研究されており,原発性胸壁肉腫は5年生存率が16.7%と報告されている。生存率は早期疾患であるほど高い。

胸壁腫瘍の大部分では,一次療法として外科的切除と再建術を行う。再建術ではしばしば筋皮弁と人工補綴材料を併用する。悪性胸水が存在すると外科的切除は禁忌となる。また,多発性骨髄腫または孤立性形質細胞腫の場合,化学療法および放射線療法を一次療法にすべきである。小細胞悪性腫瘍(ユーイング肉腫およびアスキン腫瘍など)は,化学療法,放射線療法,および手術を組み合わせる集学的治療を用いて治療すべきである。遠隔腫瘍からの胸壁転移の場合,緩和的な胸壁切除が推奨されるのは,手術以外の選択肢が症状を軽減しないときだけである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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