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顎下隙感染症は口腔下軟組織の急性蜂巣炎である。症状には疼痛,嚥下障害および致死的気道閉塞がある。診断は通常臨床的である。治療は気道の管理,外科的排膿および抗生物質の静脈内投与である。
顎下隙感染症は急速に拡大する両側性の硬化性蜂巣炎で,舌骨上軟組織,口腔底,舌下および顎下隙に膿瘍を形成せずに発症する。顎下隙感染症は真の膿瘍ではないが,臨床的には膿瘍に類似し,膿瘍と同様に治療する。
本疾患は通常,歯原性感染,特に下顎第2および3大臼歯からの感染または扁桃周囲蜂巣炎の拡大により起こる。寄与因子には,歯牙の衛生不良,抜歯および外傷(例,下顎骨折,口腔底裂傷)がある。
症状,徴候,診断
初期症状の発現は罹患歯の歯痛で,重度の圧痛を伴う限局性の顎下および舌下硬結を伴う。口腔底の板状硬結と舌骨上軟組織の肥厚性硬結が急速に発現する。よだれ,開口障害,嚥下障害,喉頭浮腫による喘音がみられ,舌根部が口蓋側へ挙上することがある。発熱,悪寒および頻脈も通常出現する。本疾患は数時間以内に気道閉塞を引き起こしうるが,他の頸部感染症よりその頻度が高い。
診断は通常明確である。もしそうでなければCTを行う。
治療
気道開存性の確保を最優先する。気道の腫脹により経口気管内挿管が困難なので,ファイバースコープによる経鼻気管内挿管を手術室または集中治療室で,患者の意識下に局所麻酔下で実施するのが望ましい。即時の挿管を要しない患者は集中的観察をする必要があるが,鼻トランペット法により暫間的な効果が得られる。
切開を行い,ドレーンを顎舌骨筋深部に置いて排膿すると,減圧する。抗生物質は,嫌気性および好気性菌双方に有効な薬剤(例,クリンダマイシン,アンピシリン-スルバクタム,高用量ペニシリン)を選択すべきである。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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