メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに

喉頭は声帯を含み,気管気管支樹への開口部として機能する。喉頭疾患には,種々の良性腫瘍,接触性潰瘍,肉芽腫,喉頭炎,喉頭気腫,痙攣性発声障害,声帯麻痺,声帯ポリープおよび声帯結節がある。急性喉頭気管気管支炎については,新生児,乳児,幼児における呼吸器疾患: クループを参照 。

喉頭癌は頭頸部の腫瘍: 喉頭癌で考察する。

ほとんどの喉頭疾患は発声障害を起こすが,それは音声の損傷である。声の持続的変化(例,3週間超)が認められる場合は,可動性を含む声帯の観察が必要である。声は年齢とともに変化するが,高齢者が気息声となり,変化が非周期的で,急性または顕著な場合は,加齢による結果と想定すべきではなく,評価が必要となる。

音声を評価し,記録すべきであるが,特にもし外科手技が予定されているならばそうである。喉頭の診察には,喉頭蓋,仮声帯,声帯,披裂軟骨,梨状陥凹ならびに声帯より下位の声門下部の外側からの観察,触診および内側の観察がある。内側の観察は,ミラーによる間接検査,または外来で局所麻酔下のファイバースコープによる直接喉頭鏡の検査のいずれを行ってもよい。全身麻酔下で行う硬性喉頭鏡検査では,必要に応じて生検を実施することができ,声帯の麻痺または固定のいずれかによって声帯が作動しない場合には声帯の受動的可動性を評価することも可能である( 喉頭疾患: 職業としての発声を参照 囲み解説 1: 囲み解説)。

囲み解説 1

職業としての発声

公でスピーチしたり,歌ったりするために声を使用する職業の人は,嗄声/気息声,声の高さの低下,声帯疲労,乾性咳嗽,持続性の咳払いおよび/または咽頭痛となって現れる発声障害をしばしば経験する。これらの症状は,通常は声帯結節,声帯ヒダ浮腫,ポリープ,または肉芽腫などの良性の原因による。このような障害は,通常は声帯ヒダの過剰機能(発声時の喉頭筋過緊張)によって引き起こされるが,喉頭咽頭逆流が原因の可能性もある。

治療はほとんどの症例で以下の通りである:

  • コンピュータ・プログラムを使用して音高と強度を評価し,音声の音響パラメータを測定する音声評価
  • 同コンピュータ・プログラムを用いた視覚および聴覚的バイオフィードバックによる行動療法(会話時の喉頭の筋骨格緊張を低下させる)
  • 過度の大声,声を長く出すこと,声帯緊張および習慣的な咳払いなどの声帯を酷使する行動を除外する声帯衛生プログラム
  • 適切な場合には抗逆流療法
  • 適切な声門粘膜の波動運動を生み出す適切な水分補給
  • 声帯を作動させる前の食生活改善;乳製品,カフェインおよび副流煙やその他の吸引性刺激物の回避を含む。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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