メルクマニュアル18版 日本語版
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声帯ポリープおよび結節

慢性刺激は,声帯にポリープまたは結節を形成しうる変化の原因となる。いずれも嗄声と気息声を来す。これらの症状が3週間を超えて持続する場合は,声帯の観察を行う。診断は,喉頭鏡および癌を除外するための生検に基づく。外科的切除により音声を回復し,刺激源の除去により再発を防止する。

病因と病態生理

声帯ポリープと結節は,声帯の固有層損傷により発生する。声帯ポリープは声帯膜様部を3等分した中央部に発生し,片側性に起こることの方が多い。声帯ポリープは,急性の発声器損傷が原因で生じることが多い。声帯結節は,通常は声帯を3等分した前部と中央部の境界に両側性に発生する。本疾患の主な原因は,大声で叫ぶ,怒鳴る,声高に歌うまたは不自然に低い声を出すといった,慢性的な声の乱用である。声帯ポリープには他にも原因がいくつかあり,胃食道逆流,未治療の甲状腺機能低下症,慢性喉頭アレルギー反応,産業排気もしくはタバコの煙などの刺激物の慢性吸引が含まれる。声帯ポリープは声帯結節より大きく,隆起する傾向があり,しばしば顕著な表在血管を有する。

症状,徴候,診断

いずれの病変においても,徐々に嗄声および気息声を来す。診断は,ミラーまたは喉頭鏡による直接または間接観察に基づく。癌を除外するために,喉頭顕微鏡下で孤発病変の生検を実施する。

治療

基礎原因の治療でほとんどの声帯結節が治癒し,再発が防止される。有害な刺激物の除去により治癒し,言語療法士による発声療法は,不適切な歌唱法または長時間大声で話すことから受ける声帯の外傷を減少させる。声帯結節は,通常発声療法のみで退縮する。

正常な声を回復するためには,ほとんどの声帯ポリープを外科的に除去しなければならない。喉頭顕微鏡下のコールドナイフを用いたマイクロサージェリーによる切除術は,不適切な施術により熱損傷を随伴しやすいレーザー切開術より望ましい。

喉頭顕微鏡においては,手術用顕微鏡を使って,喉頭の診察,生検および手術を行う。画像もビデオに録画しうる。患者には麻酔をかけ,喉頭鏡を用いた高圧ジェット換気,気管内挿管法で気道を確保するが,上気道が不十分な場合には気管切開によって気道を確保する。顕微鏡は拡大像での観察も可能なので,厳密かつ正確に組織を除去でき,音声機構の損傷(おそらくは恒久的な)を最小限に抑えられる。レーザー手術は,正確に切除するために光学顕微鏡を用いて施術しうる。ほぼ全ての喉頭の生検,良性腫瘍に関する手技および様々な形式の音声手術についても,喉頭顕微鏡が好まれる。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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