メルクマニュアル18版 日本語版
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口腔扁平上皮癌

口腔扁平上皮癌は毎年約3万人のアメリカ人が罹患する。90%は喫煙者である。アルコールも危険因子である。早期の治癒の見込みのある病変が症候性であることはまれなので,致死的な疾患を回避するにはスクリーニングによる早期発見が必要である。治療は外科手術,放射線療法,またはその双方である。全般的な5年生存率は52%である。

米国において,男性における癌の3%,女性における2%が口腔扁平上皮癌であり,ほとんどは50歳以降に発生する。口腔扁平上皮癌は最も一般的な口腔または鼻咽腔癌である。

口腔扁平上皮癌に対する主な危険因子は喫煙(特に1日に2箱を超える場合)とアルコール摂取である。アルコール摂取が蒸留酒を1日6オンス(180mL),ワインを1日6オンス(180mL),またはビールを1日12オンス(360mL)を超えると,危険性は劇的に上昇する。多量の喫煙とアルコール依存が両方あると,女性で100倍,男性で38倍,危険性が高まると推定されている。舌の扁平上皮癌はプラマー-ヴィンソン症候群,梅毒,または慢性的外傷が原因でも生じる。

口腔内の扁平上皮癌の約40%は口腔底または舌の外側と腹側表面上に原発する。全ての口腔扁平上皮癌の約38%は下唇に生じ,約11%は口蓋と扁桃領域に発生する。扁桃の扁平上皮癌は,上気道の悪性腫瘍の中では喉頭癌に次いで2番目に多く,主に男性で発生する。

症状,徴候,診断

口腔病変は当初無症状である。それらは紅板症または白板症の領域に現れ,外方増殖または潰瘍化することがある。いずれもまくれあがった辺縁を伴い,硬結性で堅い。扁桃癌は通常,非対称の腫脹と咽喉痛を呈し,疼痛はしばしば同側の耳へ放散する。頸部における転移性腫瘤が最初の症状のことがある。

疑いのある領域の生検が,特にまだら状の病変に対して施行される。2つ目の原発癌が同時に存在する可能性を除外するため,喉頭直達鏡検査,気管支鏡検査,食道鏡検査が行われる。頭頸部のCTを通常施行する。胸部X線撮影を実施し,もし進行期が疑われる,または確信されるならば,胸部CT撮影を実施する。

予後

もし舌癌が限局性(リンパ節転移がない)ならば,5年生存率は約50%である。限局性口腔底癌の場合,5年生存率は65%である。リンパ節転移がある場合,5年生存率は20%である。下唇病変の場合,5年生存率は90%で,転移はまれである。上唇の癌はより進行性で転移性の傾向がある。口蓋や扁桃領域の癌の場合,もし患者がリンパ節転移前に治療されれば5年生存率は68%だが,それ以後になるとわずか17%になる。転移は最初,所属リンパ節に達し,後に肺に達する。

治療

手術と放射線療法が選択される治療である。局所または遠隔の疾患は,さらに根治的な治療手段が必要となる。(See also the National Cancer Institute's summary Lip and Oral Cavity Cancer (PDQ®): Treatment.)

舌の病変に対する手術は広範囲で,外観をそこね,生活の質の低下を伴うので,放射線療法がしばしば選択される。加えて,口腔底癌患者はしばしば医学上,易感染性であり,手術に適した候補者ではない。まれに,化学療法がいくらか姑息的価値のある部位(例,肺,骨,心臓,心膜)において,遠隔転移が認められる。

口唇の扁平上皮癌の治療は外科的切除である。口唇の広域が前癌症状的変化を示すと,口唇は外科的に局所切除されるか,または全ての罹患した粘膜をレーザーで除去する。その後は,適切な日焼け止めの適応が推奨される。

扁桃癌の治療は,放射線療法と手術が併用され,それは扁桃窩の根治的切除から成り,ときに下顎骨半切除と根治的頸部郭清術も同時に行われる。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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