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不正咬合とは上下顎の歯の間における異常な接触である。
正常では,各歯列弓は並んで接触している状態の歯から成り,滑らかな曲線を形成し,上顎前歯が下顎前歯の上部3分の1を被っている。上顎後方歯群の頬側(外側)咬頭は,対応する下顎後方歯群の咬頭の外側に位置している。口腔の各側において,上顎の第1永久大臼歯の前頬側咬頭は下顎第1大臼歯の前頬面裂溝と接触している。上顎歯の外側部分は全て,下顎歯よりも正常では外側に位置しているので,唇と頬は歯の間から排除され,咬まれることはない。下顎歯舌側(内側)表面は上顎歯よりも小さい弓形になっており,舌を閉じ込めて,咬合のとき舌を咬む可能性を最小限に抑えている。全ての上顎歯はその対合の下顎歯と接触するようになっており,それにより咀嚼力(臼歯部分で150ポンド=68kgを超え,夜間の食いしばりでは250ポンド=114kgである)が広く分散される。もしこれらの力が少数の歯だけにかかった場合,それらの歯は最終的にぐらぐらにするであろう。
病因
不正咬合は,しばしば顎と歯のサイズの不均衡の結果として生じる(すなわち顎が小さすぎ,または歯が顎に対して大きすぎ,歯を適切な列に収容できない)が,数多くの先天性異常と疾患,または歯牙の喪失によって引き起こされることもある。永久歯が喪失する場合,近接歯は移動し,対合歯は出し,これらの動きを阻止するためにブリッジ,インプラントまたは部分床義歯の装着をしないと,不正咬合を起こす。小児が乳歯を早期に喪失する場合,歯列弓の,より遠位の歯または永久第1大臼歯がしばしば前方へ移動し,他の後継永久歯が萌出する余地が不十分になる。鎖骨頭蓋骨形成不全症においては,乳歯が遅くまで残り,多くの永久歯が萌出できない。顔面の外傷後の不正咬合は,歯の偏位または顎の骨折を示唆する。外胚葉異形成症においては,不正咬合は歯の数が少なすぎることが原因で生じる。
評価
咬合は,患者に奥歯で噛むように指示しつつ,舌圧子でそれぞれの頬を牽引して口の両側を調べる。不正咬合はときに歯科初診時に早期発見される。早期発見は,後の治療をより容易でより効果的にしうる。
治療
不正咬合は,主として審美的および心理的理由で矯正される。しかしながら,場合によっては,治療は(特異な歯における)齲蝕に対してや,前歯切端部の破折に対して,おそらく歯周病または口蓋の歯肉の削除に対する抵抗性を増す。治療は発語だけでなく咀嚼をも同様に改善しうる。咬合は,歯の適切な配列,接触が早すぎる歯や修復歯の選択的削合,また咬合面より下にある歯面を挙上するための歯冠またはオンレー装着により改善できる。
歯科矯正装置(ブレース)は,軽度の力を持続的に歯に加え,周囲の歯槽骨を徐々に作り直す。1本またはそれ以上の永久歯の抜去(通常第1小臼歯)が,他の歯を再配列させるために,または他の歯を安定した歯列位置へ萌出させるために必要になる。歯が適切に配列した後,患者はプラスチックおよびワイヤー製の保持装置を当初1日24時間,その後は夜間のみ2〜3年間装着する。
歯科矯正処置だけでは不十分な場合,不正咬合の一因となる顎の成長異常の外科的矯正(顎矯正手術)の適応となる。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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