メルクマニュアル18版 日本語版
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急性視力障害

視力障害は急性または漸進性であり,漸進性視力障害は白内障,緑内障,萎縮型加齢黄斑変性を含む複数の過程に起因する。視力障害はまた,部分的または完全であり,部分的な視力障害は視野欠損として現れ,多様な所見および原因を有する(眼科患者へのアプローチ: 視野欠損の種類表 1: 表を参照)。

急性視力障害は,網膜中心動脈閉塞または静脈閉塞(側頭動脈炎に起因する動脈閉塞を含む),視神経炎または視神経症,硝子体出血,網膜剥離,新生血管型加齢黄斑変性,卒中,機能障害(例,転換ヒステリー反応または詐病)に起因することがある。場合によっては,急性視力障害は数分〜数時間しか持続しないことがあり(一過性黒内障),原因には眼性片頭痛,網膜動脈の塞栓,一過性脳虚血発作がある。

突然片眼に生じる無痛性の完全な視力障害は,網膜中心動脈または静脈の閉塞,塞栓,虚血性視神経症,硝子体出血,網膜剥離,視神経炎を示唆するが,視神経炎では眼球運動時痛を生じることがある。痛みを伴う視力障害は,急性閉塞隅角緑内障,ぶどう膜炎,まれには角膜水腫に起因することがある。片眼にカーテンまたはブラインドが下りたように感じられる症状は,網膜剥離または網膜動脈分枝閉塞症などの進行性の血管障害を示唆する。複雑で持続するちらつきもしくは閃光(閃輝暗点)または両眼の視力を妨げて約20分後に消失する,万華鏡を見るような現象は片頭痛を示唆する。ときに他の神経学的症状を伴い,最高24時間まで持続する両眼性視野障害は,視覚皮質の一過性虚血発作を示唆する。

視力,周辺視,視野欠損の有無と形の検査,細隙灯顕微鏡検査,隅角検査(隅角閉塞が疑われる場合)を含む,眼科精査が必要である。特異的な視野欠損が視路の病変の位置を示すことがある(眼科患者へのアプローチ: 眼の断面図。図 1: イラストを参照)。前房のフレアおよび細胞の所見はぶどう膜炎を示唆し,腫脹し混濁した角膜は角膜水腫を示唆し,中等度に散大した瞳孔を伴う高眼圧は急性閉塞隅角緑内障を示唆する。散瞳眼底検査において,網膜の限局性の白色化は網膜動脈分枝閉塞を示唆し,ときとして黄斑の桜実紅斑を伴う網膜全体の白色化は網膜中心動脈閉塞を示唆する。周囲の火炎状出血を伴うまたは伴わない視神経の腫脹は視神経炎を意味する。硝子体出血または網膜剥離の所見は,診断に役立つ。

検査所見次第では追加の検査が必要となる。側頭動脈炎を除外するために赤血球沈降速度検査を行うべきであり,網膜静脈の閉塞を証明するためにフルオレセイン蛍光造影が必要となることがある。

治療は基礎疾患の管理である。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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