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流涙は涙液の産生過剰または排泄低下により生じうる(
眼科患者へのアプローチ: 流涙の原因表 3: および
眼科患者へのアプローチ: 涙器の解剖。図 2: を参照)。
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表 3
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流涙の原因
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産生過剰
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排出の低下
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感染性(黄色ブドウ球菌,水痘帯状疱疹,単純ヘルペス,スチーブンス・ジョンソン症候群)
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産生過剰は,最も一般的には異物(内反した睫毛を含む)または角膜上皮欠損などによる刺激症状,アレルギー性鼻炎または結膜炎,眼乾燥症により生じた刺激感に対する反射反応,感冒に伴って生じる。新生児では,先天性緑内障および先天性の鼻涙管閉塞が原因となる。
排出低下には複数の原因があり,主な分類は鼻涙管閉塞,涙点狭窄,眼瞼異常である。
鼻涙管閉塞は先天性または後天性である。先天性鼻涙管閉塞では鼻涙管の下端に膜が遺残し,流涙および膿性眼脂を生じるが,この病態は慢性結膜炎として現れることもある。
後天性鼻涙管閉塞は,加齢に伴う鼻涙管狭窄が原因であることが最も多い。他の原因には,鼻涙管を断絶する鼻もしくは顔面骨折,または副鼻腔手術の既往,炎症性疾患(例,サルコイドーシス,ヴェーゲナー肉芽腫症),涙嚢炎(眼科患者へのアプローチ: 涙嚢炎を参照 )がある。
涙点または涙小管の物理的狭窄は涙小管への涙の流入を妨げ,その結果,涙が頬へ流れ出る。原因には,慢性結膜炎,特にヘルペス性慢性結膜炎,ある種の化学療法,点眼薬への有害反応(特にヨウ化エコチオフェート),放射線がある。
外反症および内反症は,流涙を生じる眼瞼疾患で,両疾患ともに眼瞼の涙点が内反または外反し,涙を適切に排出しなくなる。さらに,内反症では睫毛が角膜を擦過して刺激し,涙液の産生過剰をもたらす。外反症および内反症は眼乾燥症の原因ともなる(眼瞼疾患: 眼瞼内反と眼瞼外反を参照 )。
症状と徴候
流涙に伴う症状は,鑑別診断を絞る上で役立つことがある。そう痒感はアレルギー性の原因を,鼻痛は涙嚢炎を,持続する異物感は角膜異物,角膜上皮剥離,角膜潰瘍,睫毛乱生を,間欠性の異物感は眼乾燥症を,他の症状(例,羞明)はぶどう膜炎または角膜炎を示唆する。新生児における結膜炎は,鼻涙管閉塞(生後2週間以降)よりもかなり早い時期(生後数時間〜2週間)に徴候および症状が発現する。
診断
診断は既往歴および身体診察により明らかになることが最も多い。診察者は,異物,副鼻腔の痛み,眼角部の腫脹または腫瘤,眼瞼異常などの基礎原因の徴候を探すべきである。シルマー試験(角膜疾患: 診断を参照 )を用いて涙液産生を定量化することがある。流涙の特異的原因を診断するために必要となりうる,眼科医が実施する補助検査は,フルオレセイン染色を用いるまたは用いない涙道ブジーまたは生理食塩水による洗浄である。反対側の涙点/涙小管からの逆流は完全な閉塞を示し,逆流と鼻への排出は狭窄を示す。画像検査および処置(涙嚢造影,CT,鼻内内視鏡)は,手術が考慮されている場合に解剖学的異常の描出に役立つことがあり,またときとして感染症が疑われる場合に膿瘍の検出に役立つ。
治療
異物は除去し,基礎にあるアレルギーは治療するべきである。眼乾燥症または角膜上皮欠損が原因であれば,人工涙液の使用により流涙が低減する。先天性鼻涙管閉塞はしばしば自然治癒するが,生後1歳までは,1日4〜5回指で涙嚢を圧迫することにより,下端の膜が破れることがある。1歳以降は全身麻酔下での患児の涙道ブジーが必要となることがあり,閉塞が再発する場合は一時的に排出チューブを挿入することがある。
後天性鼻涙管閉塞では,基礎原因が治療に反応しない場合,鼻涙管の洗浄が治療法となりうる。
最終的手段としては,外科的に涙嚢と鼻腔との間の通路を形成する方法がある(涙嚢鼻腔吻合術[DCR])。
先天緑内障の治療については,小児における眼の欠陥と病態: 先天性白内障を参照 。
外反症および内反症は典型的には手術を必要とする(眼瞼疾患: 眼瞼内反と眼瞼外反を参照 )。涙点または涙小管の狭窄例は,拡張により通常治癒する。涙小管狭窄が重度で不快感が強い場合は,涙小管から鼻腔へ繋がるガラス管を留置する外科的処置を考慮することがある。
涙嚢炎
涙嚢炎は通常ブドウ球菌属またはレンサ球菌属を起因菌とする,涙嚢の感染で,通常,鼻涙管閉塞の結果として生じる。
急性涙嚢炎では,涙嚢周囲の疼痛,発赤,腫脹を認める。症状および徴候に基づき,涙嚢部圧迫により涙点から粘液性物質の逆流を認めた場合に本症を疑う。初期治療は温罨法と,軽症例に対しては抗生物質の経口投与(セファレキシン500mg,6時間毎),重症例に対しては抗生物質の静脈内投与(セファゾリン1g,6時間毎)との併用で行う。最初の抗生物質が無効であると判明した場合は,膿瘍を排膿し,培養結果に基づき抗生物質を変更することもある。
慢性涙嚢炎患者では通常,内眼角靭帯下の腫瘤および慢性結膜炎を認める。急性炎症が消退した急性涙嚢炎または慢性結膜炎に対する決定的な治療は通常は手術である(DCR)。
涙小管炎
涙小管炎は涙小管の感染である(眼科患者へのアプローチ: 涙器の解剖。図 2: を参照)。
最も一般的な原因は,微細な分枝状線維を有するグラム陽性桿菌であるイスラエル放線菌の感染であるが,他の細菌,真菌(例,カンジダ-アルビカンス),ウイルス(例,単純ヘルペス)も原因となりうる。症状および徴候は流涙,眼脂,充血(特に鼻側),患側の軽度の圧痛である。症状および徴候,涙嚢部圧迫による混濁分泌物の排出,涙道ブジー中に感知される砂状の感触(壊死物質により生じる)に基づき,本症を疑う。治療は温罨法,抗生物質溶液を用いた涙小管洗浄,通常手術が必要となる菌石の除去である。抗生物質の選択は通常経験によるが,洗浄時の標本により行われることもある。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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