メルクマニュアル18版 日本語版
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眼部帯状ヘルペス(眼部帯状ヘルペスウイルス;眼部帯状疱疹;眼部水痘帯状ヘルペスウイルス)

眼部帯状ヘルペスは水痘帯状ヘルペスウイルス感染症(ヘルペスウイルス: 帯状疱疹も参照 )で,眼を侵す。症状および徴候は激しいことがあり,前頭部皮膚分節の皮疹,および前眼部とまれに後眼部における全組織の有痛性の炎症である。三叉神経第1枝における帯状疱疹の皮膚炎を伴う場合は,特徴的な前眼部所見により診断する。治療は,抗ウイルス薬の経口投与,散瞳薬,コルチコステロイドの局所投与を行う。

前頭部の水痘帯状疱疹は,鼻毛様体神経が感染した場合(鼻の先の病変で示される)は症例の4分の3で,鼻の先に病変がない場合は症例の3分の1で,眼球が侵される。全体では,患者の2分の1で眼球が侵される。

症状と徴候

急性期には前頭部の皮疹,顕著な眼瞼浮腫に加え,結膜,上強膜と角膜周囲の充血,角膜浮腫,角膜上皮炎と角膜実質炎,ぶどう膜炎,緑内障,疼痛を認めることもある。ぶどう膜炎を伴う角膜炎は重症な場合があり,瘢痕化を起こす。後期続発症として緑内障,白内障,慢性または再発性ぶどう膜炎,角膜の瘢痕化,新生血管,知覚低下が一般的で,視力を脅かす。

診断

診断は,前頭部の典型的な急性帯状ヘルペスの皮疹,または該当する病歴と後期の萎縮した前頭部病変に基づく。まだ眼に病変が及んでいないこの領域のヘルペス病変は重大な危険性を示唆しており,眼が侵される前に眼科の診察を促すべきである。急性期における皮膚の培養および免疫学的検査またはPCR,もしくは連続的な血清学的検査は,病変が非定型的で診断が確定しない場合にのみ行う。

治療

アシクロビル800mg経口にて1日5回またはファムシクロビル500mgまたはバラシクロビル1g経口にて1日3回7日間を用いた初期治療により,眼合併症が減少する。単純ヘルペスウイルス感染症患者とは異なり,眼部帯状ヘルペスによる角膜炎またはぶどう膜炎を有する患者では,コルチコステロイドの局所投与(例,0.1%デキサメタゾン点眼を開始時に2時間毎,症状の改善とともに4〜8時間に間隔を延長)を必要とする。1%アトロピンまたは0.25%スコポラミン1滴1日3回を用いて瞳孔を散大させておくべきである。眼圧を監視し,正常値を超えて上昇する場合は治療しなければならない。

全身状態が良好な60歳を超える患者に対する,帯状ヘルペス後神経痛を予防する目的での,短期間高用量コルチコステロイド経口投与については依然議論のあるところである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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