メルクマニュアル18版 日本語版
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胼胝および鶏眼(胼胝腫;鶏眼)

胼胝および鶏眼は,圧迫や摩擦を受ける部位に生じる限局性の過角化である。胼胝は表在性で通常症状がない;鶏眼は深く,疼痛を伴うことがある。診断は臨床像で行う。治療は用手的に病変を削ることであるが,ときに角質溶解薬を用いる。履物を変えれば予防できることがある。

胼胝および鶏眼は断続的な圧迫または摩擦で生じ,通常骨隆起部の上にみられる(例,踵部,中足骨骨頭)。

鶏眼は境界明瞭な限局性の角栓であり,小豆大かそれよりもわずかに大きく,下床にある真皮の大部分を貫通して拡大する。下床にある関節包の外膜に関節包炎を起こすこともある。硬い鶏眼は骨隆起が著明な部位の上,特に足趾や足底表面に生じる;軟らかい鶏眼は趾間に生じる。鶏眼の大部分は足に合わない履物が原因であるが,足底および手掌の非荷重部に生じる小さな種の大きさの鶏眼は遺伝性皮膚症の表れかもしれない(点状角化症)。

胼胝は中心部の角栓とそれに伴う真皮の変化を欠き,鶏眼より均一な外観をしている。胼胝は通常手や足に生じるが,その他どこにでも生じてもよく,特に職業上特定の部位に繰り返し刺激を受ける人にみられる(例,バイオリニストの下顎および鎖骨)。

症状,徴候,診断

胼胝は通常症状がないが,摩擦が過剰な場合は刺激されて軽度にほてる不快感を生じる。ときに,この不快感は趾間神経痛に似ることがある。

鶏眼は自発痛または圧痛を伴うことがある。ときに嚢または液体に満たされたポケットが鶏眼の下に形成される。

鶏眼は角化した皮膚をメスで削り取ることで,足底の疣贅や胼胝と鑑別できる。角質を削り取った後,胼胝では皮膚紋理が残っているが,一方疣贅(ウイルス性皮膚疾患: 疣贅を参照 )では境界明瞭で,ときに組織が軟らかく浸軟していたり中心に毛細血管の血栓を示す黒点(出血点)がみられる。鶏眼は角質を削り取ると,境界明瞭で黄色から淡黄褐色の半透明の核を認め,このため正常な真皮乳頭の構造が乱れている。趾間神経痛は,触診で趾間部痛を欠くことから除外できる。

予防と治療

病変部表面にかかる圧力を除去するのは困難かもしれないが,和らげて分散させてやるべきである。足の病変に対しては,柔らかくて足によく合った靴が重要である;趾が靴の中で自由に動けるように,靴の趾部には広い空間が必要である。おしゃれな靴は,しばしばこの自由な動きを妨げる。病変の不快感を強める靴は,手持ちの履物から処分すべきである。足によく合った形状と大きさのパッドやリングを用いたり,モールスキンやフォームラバーの保護帯を用いたり,足底弓に支持物を挿入したり(矯正具),中足骨部にプレートやバーを用いれば圧力を分散させることができる。拇趾球の鶏眼および胼胝に対しては,矯正具を全長のまま用いてはならず,拇趾球を超えるだけの長さにとどめるか,鶏眼や胼胝の直後で靴から折って使用すべきである。原因となっている骨を外科的に削ったり除去したりする必要はほとんどない。

爪やすり,エメリーボード,または軽石を入浴後直ちに使用することは,しばしば過角化を来した組織を用手的に除去する実際的な方法である。正常皮膚につかないよう注意して,角質溶解薬(例,17%サリチル酸含コロジオンまたは40%サリチル酸硬膏)を使用することもできる。角質溶解薬を塗布する前に,正常皮膚をワセリンで覆って保護してもよい。

胼胝や鶏眼を来たしやすい患者は,足専門医(podiatrist)に定期的に通う必要があるかもしれない。末梢循環が障害されており,特に糖尿病が合併している場合は,専門家のケアが必要である。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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