メルクマニュアル18版 日本語版
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日光による慢性の影響

老化: 日光に対する慢性的な暴露は皮膚を老化させ(光老化,外因性老化),細かい皺と粗い皺,ゴワゴワした革状の質感,斑状の色素沈着を引き起こし,ときには毛細血管拡張も生じる。人によっては萎縮が起き,X線療法後にみられる萎縮(慢性放射線皮膚炎)に似ることがある。

日光角化症: 日光角化症はよくみられる前癌性角化病変で,長年日光暴露を受けた結果生じる障害である。金髪または赤毛でスキンタイプⅠ型またはⅡ型の人は特に罹患しやすい;黒人が罹患することはまれである。

日光角化症は通常ピンク色で境界不明瞭であり,触診で鱗屑または痂皮を触れるが,ときには明るい灰色または暗い灰色のこともある。本疾患は疣状で褐色の脂漏性角化症(良性腫瘍: 脂漏性角化症を参照 )と鑑別すべきであるが,脂漏性角化症は年齢とともに数と大きさを増し,体の非露光部位にも生じる疾患で,前癌性病変ではない。

皮膚癌: 皮膚癌を参照 )色白の人における有棘細胞癌および基底細胞癌の発生率は,その地域の総年間日照量に正比例する。このような病変は,小児期およびティーンエージャー期に過度の日光を浴びた人や,スポーツマン,農夫,牧場主,船乗り,頻繁に日光浴をする人で特に多い。日光暴露は悪性黒色腫のリスクも高める。

治療

ケミカルピーリング,5-フルオロウラシル(5-FU),α-ヒドロキシ酸の外用,トレチノインを含む様々な併用療法が,慢性的な日光障害を美容的に改善する目的で試みられてきた。これらは,粗い皺と細かい皺,不規則な色素沈着,黄ばみ,ゴワゴワ感,たるんだ皮膚を改善するようであるが,毛細血管拡張は改善しない。レーザーによる皮膚のリサーフェシングも,もう1つの治療法である。多くの化学物質が化粧品に使われているが,それらが日光の慢性的影響に効果があるという証拠はない。

少数の日光角化症が存在するだけであれば,凍結療法(液体窒素で凍結する)が最も迅速でかつ満足のいく治療である。凍結するには病変が多すぎる場合は,5-フルオロウラシルの外用薬を2〜4週間,夜間または1日2回患部に塗布すると劇的な効果がある。数種類の強さおよび剤形の5-FUが市販されている。多くの患者にとって,顔面に1日1回,4週間塗布するのなら,最も耐容性が良好な5-FUの濃度は0.5%である。上肢の日光角化症ではさらに高濃度,例えば5%のクリームが必要かもしれない。5-FUの外用で治療すると,発赤,鱗屑,ほてり感を伴う強い反応が生じ,しばしば以前に日光角化症が検出されなかった部位にもそのような反応が起こる。反応があまりに強い場合は,塗布を2〜3日間中止してもよい。5-FUの外用療法は,この見苦しく不快な反応を除けば問題となる副作用を認めず,このような副作用が生じても化粧品で隠したり,コルチコステロイドの外用で抑制できる。5-FUは,生検によって表層性で多病巣性であることが示された基底細胞癌を除き,基底細胞癌の治療に使用すべきではない。皮膚癌の治療については,皮膚癌を参照 。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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