メルクマニュアル18版 日本語版
検索のヒント
ABCDEFGHI
JKLMNOPQR
STUVWXYZ
記号

セクション

トピック

白皮症

白皮症(公式には眼皮膚白皮症と呼称する)はメラニン形成の遺伝的欠損で,皮膚,毛髪,眼にびまん性の色素減少を来す;メラニン欠損(この結果,色素低下が生じる)は完全なことも不完全なこともあるが,皮膚全体が侵される。眼症状には,斜視,眼振,視力低下がある。診断は通常皮膚を見れば明らかであるが,眼科的評価が必要である。日光から防御する以外,皮膚病変に対する治療はない。

疫学,症状,徴候

眼皮膚白皮症(OCA)は一群のまれな遺伝性疾患で,メラノサイトは存在しているが,メラニン産生が欠如または非常に低下している。皮膚病変および眼病変(眼白子症)が,ともに存在する。眼白子症では網膜色素が減少しており,眼振,斜視,視力低下,単眼視力低下を伴う;これらの異常は視索CNSの発達が異常なために生じ,中心窩低形成がみられ,視細胞が減少し,視交叉線維の走行異常を伴う。眼白子症は皮膚の異常を伴わないことがある。

主に4つの遺伝型があり,表現型は様々である。ほとんど全てが,常染色体劣性遺伝の疾患である。

Ⅰ型OCAでは,チロシナーゼ活性が欠如しているか(OCA1A;全OCAの40%),減少している(OCA1B);チロシナーゼはメラニン合成のいくつかの段階で触媒として作用する。OCA1Aは古典的なチロシナーゼ陰性白皮症である:皮膚および毛髪はミルクのように白い;眼は青みがかった灰色である。OCA1Bにおける色素低下は,明らかなものからわずかなものまで幅がある。

Ⅱ型OCA(全OCAの50%)は,P(“赤目”)遺伝子の変異によって生じる。Pタンパクの機能はまだ不明である。チロシナーゼ活性は存在している。表現型は,色素低下がわずかなものから中等度のものまで様々である。色素性母斑および黒子が日光暴露で生じることがある;一部の黒子は大きく色調が濃くなることもある。

Ⅲ型OCAは黒人にのみ生じる。Ⅲ型OCAはチロシナーゼ関連タンパク1遺伝子の変異で生じ,この遺伝子産物はユーメラニンの合成に重要である。皮膚は褐色である;毛は赤褐色(赤色調)である。

Ⅳ型OCAは極めてまれな病型で,膜トランスポーター蛋白をコードする遺伝子に遺伝子欠損がある;表現型はⅡ型OCAに類似する。

一群の遺伝性疾患において,OCAは臨床的に出血性疾患と合併する。ヘルマンスキー-プドラック症候群では,OCAが血小板異常およびセロイド-リポフスチンのリソソーム内蓄積症に合併する。この症候群は,プエルトリコでは発生率が1800人に1人であるが,プエルトリコ出身の者以外に生じることはまれである。チェディアック-東症候群では,OCAが生じ(毛は銀灰色である),血小板の濃染顆粒が減少する結果,出血素因がある。患者は,リンパ球の溶解性顆粒が異常なため,重症の免疫不全を来す。進行性の神経変性も生じる。

診断と治療

OCAの全病型の診断は皮膚を診察すれば明らかであるが,半透明の虹彩,網膜色素の減少,中心窩の低形成,視力低下,眼球運動異常(斜視および眼振)を検出することが必要である。ある種の外科的治療を行えば,眼球運動異常が改善されることがある。

白皮症の治療はない。患者はサンバーンおよび皮膚癌発生のリスクが高く,日光を避け,サングラス(UVフィルターつきのもの)を着用し,SPFが30以上のサンスクリーンを用いるべきである(日光に対する反応: 予防を参照 )。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

ページの先頭へ

前へ: はじめに

次へ: 白斑

イラスト
個人情報の取扱いご利用条件