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有口赤血球症(カップまたは鉢の形をした赤血球の存在)および低リン酸血症は溶血性貧血を引き起こす赤血球膜異常である。
有口赤血球症:
有口赤血球症は赤血球の,正常時には蒼白の中心部分が,口唇様またはスリット様の形態に置き換わったまれな疾患である。このような赤血球は先天性および後天性の溶血性貧血と関連している。症状は貧血の結果として起こる。
まれな先天性の有口赤血球症は常染色体優性遺伝を示し,非常に幼いときに発症する重度の溶血性貧血を引き起こす。赤血球膜は,一価陽イオン(ナトリウムおよびカリウム)に対する過剰な透過性を有するが,二価の陽イオンと陰イオンの移動は正常である。循環赤血球の約20〜30%が有口赤血球である;赤血球の脆弱性は増大し,自己溶血も亢進しているが,グルコースによる改善は一定しない。一部の症例では脾摘出が貧血を改善する。
溶血性貧血を伴う後天性有口赤血球症は,主に最近の過剰なアルコール摂取に伴って生じる。末梢血の有口赤血球症と溶血はアルコールをやめてから2週間以内に消える。
低リン酸血症による貧血:
赤血球の柔軟性は,赤血球内のATP値によって異なる。血清リン酸濃度は赤血球ATP値に影響するため,0.5mg/dL(0.16mmol/L)未満の血清リン酸濃度は赤血球ATPを枯渇させる;低リン酸血症がもたらす複雑な代謝異常にはまた,2,3-ジホスホグリセリン酸欠乏,酸素解離曲線左方移動,グルコース利用の減少,および乳酸産生増加がある。その結果生じる硬くて変形しにくい赤血球は毛細管循環床で損傷を受けやすく,溶血および小さな球状の赤血球(小球状赤血球症)を生じる。
重度の低リン酸血症は,アルコール中断,糖尿病,飢餓後の摂食再開,重度の熱傷後の回復(利尿)期,高カロリー療法,重度の呼吸性アルカローシス,および制酸薬を服用し透析を受けている尿毒症患者において生じることがある。リン酸補充は貧血を防止または改善し,低リン酸血症であるか,そのリスクがある患者に検討される。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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