メルクマニュアル18版 日本語版
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後天性血小板機能不全

後天性血小板機能不全はアスピリンやその他のNSAIDまたは全身性疾患から起こる可能性がある。

血小板機能の後天的な異常は頻繁に起こる。アスピリンは汎用されている。他にも血小板機能不全を誘発する可能性のある薬物は多い。多くの臨床的疾患(例,骨髄増殖性および骨髄異形成疾患,尿毒症,マクログロブリン血症,多発性骨髄腫,肝硬変,SLE)も血小板機能を障害する可能性がある。出血時間の独立した延長が認められ,さらに他に可能性のある診断が除外されれば,後天性血小板機能不全を疑い,診断を行う。血小板凝集能検査は不要である。

アスピリンおよびNSAIDはシクロオキシゲナーゼによるトロンボキサンA2産生を阻害する。この影響は5〜7日間持続しうる。アスピリンは健康な人の出血時間を若干延長するが,一方で血小板機能不全の基礎疾患がある,または重度の凝固障害をもつ患者(例,ヘパリン投与を受けている,または重症血友病患者)の出血時間を著しく延長する可能性がある。血小板は,心肺バイパス手術中,血液が人工心肺を循環する際に機能不全に陥り出血時間の延長を来す可能性がある。その機序は,血小板表面で線溶系が活性化され,フォン・ヴィルブランド因子が糖蛋白Ⅰb-Ⅸに結合するための部位を失うことにあるようである。血小板数にかかわらず,心肺バイパス手術を受けたあと過度に出血を来す患者および出血時間の長い患者には血小板輸血を行う。バイパス手術時のアプロチニン(プラスミン活性を中和するプロテアーゼインヒビター)投与は,出血時間の延長を防ぎ,輸血の必要性が減少する。

尿毒症は出血を長引かせるが,その機序は明らかでない。臨床的に出血が認められれば,集中的な透析,クリオプレシピテート投与,あるいはデスモプレシン輸注で出血時間を一時的に改善できる。貧血治療が必要であれば,輸血あるいはエリスロポエチン投与で赤血球数が増加し,これにより出血時間も短縮する。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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