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遺伝性内因性血小板異常はまれで,出血傾向が生涯続く。診断は血小板凝集能検査で確定する。重篤な出血を抑制するために血小板輸血が必要である。
正常な止血には血小板の粘着および活性化が必要である。血小板粘着にはフォン・ヴィルブランド因子(VWF)および血小板糖蛋白Ⅰb-Ⅸ複合体が必要である。活性化は血小板凝集およびフィブリノーゲン結合を促進するが,活性化のためには血小板糖蛋白質Ⅱb-Ⅲa複合体が必要である。活性化で,血小板の貯蔵顆粒からアデノシン二リン酸(ADP)が放出され,シクロオキシゲナーゼの触媒によりアラキドン酸からトロンボキサンA2が生成される。遺伝性内因性血小板異常はこうしたステップのどの欠損からも起こりうる。患者が長年にわたり出血性障害を患い,かつ血小板数および凝固検査が正常であればこの異常を疑う。診断は通常,血小板凝集能検査に基づいて行う(
血小板減少症と血小板機能不全: 血小板機能の遺伝性疾患における凝集能検査結果表 3: 参照)。
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表 3
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血小板機能の遺伝性疾患における凝集能検査結果
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障害
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コラーゲン,エピネフリン,および低用量ADP
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高用量ADP
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リストセチン
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血小板活性化の増幅における異常
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低下
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正常
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正常
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血小板無力症
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無
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無
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正常または低下
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ベルナール-スーリエ症候群
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正常
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正常
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低下
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ADP=アデノシン二リン酸。
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血小板活性化の増幅における異常は最も一般的な遺伝性内因性血小板異常で,軽度の出血を来す。こうした異常は,血小板顆粒の中のADPの減少(貯蔵プール欠乏症),アラキドン酸からトロンボキサンA2を産生する能力欠如,またはトロンボキサンA2に反応し凝集するための血小板の能力欠如に起因する場合もある。血小板凝集能検査では,コラーゲン,エピネフリン,低濃度ADPの暴露後に凝集低下;および高濃度のADP暴露後に正常な凝集が認められる。同様のパターンはNSAIDまたはアスピリンの使用でも起こる可能性があり,その効果は数日間続く可能性がある。したがって,血小板凝集能検査はこうした薬物を最近服用した患者に実施すべきではない。
血小板無力症(グランツマン病)はまれな常染色体劣性遺伝の疾患で血小板糖蛋白Ⅱb-Ⅲa複合体に欠損を生じ,血小板は凝集不能となる。患者は重度の粘膜出血(例,鼻栓を詰め濃厚血小板を輸血しなければ止まらない鼻出血)を起こす場合もある。診断は,指穿刺で採取した末梢血塗抹標本において,凝集せず単在する血小板の所見により示唆される。確定診断は,血小板がエピネフリン,コラーゲン,または高濃度のADPを加えても凝集しない一方でリストセチンでは一過性に凝集する所見により行う。
ベルナール-スーリエ症候群は別のまれな常染色体劣性遺伝の疾患である。糖蛋白Ⅰb-Ⅸ複合体の欠損により血小板の粘着能が障害される。重度の出血を起こすこともある。血小板は概して大きい。血小板はリストセチンでは凝集しないが,ADP,コラーゲンおよびエピネフリンで正常に凝集する。
機能異常に関連する巨大血小板は,異常な白血球を伴う血小板減少性疾患であるメイ-ヘグリン異常,およびチェディアック-東症候群においても認められる(免疫不全疾患: チェディアック-東症候群を参照 )。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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