メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに

癌の治癒には全ての癌細胞を除去する必要がある。主な治療方法は手術や放射線療法(局所および局所領域の疾患に対して),および化学療法(全身性疾患に対して)である。他の重要な治療法には,ホルモン療法(選択された癌,例,前立腺,乳房,子宮内膜),免疫療法(モノクローナル抗体,インターフェロンおよびその他の生物学的反応修飾物質ならびに腫瘍ワクチン―腫瘍免疫学: 免疫療法も参照 ),レチノイドなどの分化誘導剤,ならびに細胞および分子生物学の発展しつつある知識を利用する薬剤がある。全体の治療は放射線腫瘍医,外科医および腫瘍内科医間で必要に応じて調整すべきである。治療法の選択は絶えず進展し,数々の比較臨床試験が続けられている。参加が可能であり,かつ適切である場合は,臨床試験を考慮に入れて患者と話し合うべきである。

治癒は,疾患の徴候または症状が永久に消失することと臨床的に定義されている;完全寛解または完全反応は,疾患の臨床的証拠の消失;部分反応は単一ないし複数の腫瘤の大きさが50%以上縮小することである。治癒したようにみえる患者は,いずれ再発を引き起こす生存腫瘍細胞を持っている可能性がある。部分反応は明らかな緩和と生存期間の延長につながるが,腫瘍の再増殖は不可避である。“安定している”疾患は改善または悪化のどちらでもないことを示している。無病間隔または無病生存とは癌の消失と再発の間隔を表している。同様に,反応持続時間とは反応を得た時点から明白な進行がみられる時点までの期間をさす。生存期間は診断から死亡までの期間をさす。

無病間隔はしばしば治癒の指標として役立つとともに癌の種類により様々である。例えば,肺,結腸,膀胱および精巣癌は5年の無病間隔が認められた場合,通常治癒したといえる。しかしながら,乳癌は5年以降でも再発する場合があり,したがって10年間の無病間隔が治癒のよりよい指標となる。

治療法の決定は有益性に対する副作用の可能性を比較検討すべきである;これには率直なコミュニケーションとおそらく集学的癌医療チームの関与を要する。終末期をどのように過ごすかという患者の選択は,神経質な時期で死について話し合うことが困難であっても癌治療の初期に確立すべきである(医事法的な問題: 事前指示書を参照 )。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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