メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに

各腎臓の頭側部に位置する副腎は皮質および髄質からなり,皮質と髄質はそれぞれ別の内分泌機能を備える。

副腎皮質はグルココルチコイド(主にコルチゾル),ミネラルコルチコイド(主にアルドステロン),アンドロゲン(主にデヒドロエピアンドロステロンおよびアンドロステンジオン)を産生する。グルココルチコイドは多数の細胞や臓器系で遺伝子転写を促進,抑制する。目立った作用には,抗炎症作用および肝糖新生の亢進が含まれる。ミネラルコルチコイドは,上皮細胞表面を横断して行われる電解質の輸送,特にカリウムと交換にナトリウムを保持する腎臓の働きを調節する。副腎アンドロゲンの主な生理活性は,テストステロンおよびジヒドロテストステロンに変換されてから生じる。下垂体-副腎-腎臓系の生理学については内分泌学の原則を参照 および下垂体障害で考察。

副腎髄質はクロム親和性細胞からなり,この細胞はカテコールアミン(主にエピネフリン,およびそれよりは少量のノルエピネフリン)を合成,分泌する。クロム親和性細胞は生物活性アミンやペプチド(例,ヒスタミン,セロトニン,クロモグラニン類,神経ペプチドホルモン類)も産生する。エピネフリンおよびノルエピネフリンは交感神経系の主要な作動性アミンであり,“逃走・闘争”反応(すなわち,心臓に対する変時作用および変力作用,気管支拡張,末梢血管および内臓血管の収縮とそれに伴う骨格筋血管の拡張,グリコーゲン分解,脂肪分解,レニン放出などの代謝作用)を司る。

大半の欠乏症候群は全ての副腎皮質ホルモンの分泌に影響を及ぼす。機能低下症は原発性(アジソン病でみられるような副腎自体の機能異常)または二次性(下垂体または視床下部による副腎刺激の不足によるが,一部の専門家は視床下部の機能異常によるものを三次性と呼ぶ)である。

機能亢進症は明確な臨床症候群をもたらす。アンドロゲンの過剰分泌は副腎性男性化症を,グルココルチコイドの過剰分泌はクッシング症候群を,アルドステロンの過剰分泌は高アルドステロン症(アルドステロン症)をもたらす。これらの症候群はしばしば重複した特徴を示す。機能亢進症は,先天性副腎過形成でみられるように代償性の場合や,後天性過形成,腺腫,または腺癌が原因の場合がある。(小児における内分泌疾患および代謝疾患: 先天性副腎過形成も参照 。)褐色細胞腫では過量のエピネフリンおよびノルエピネフリンが産生される(副腎障害: 褐色細胞腫を参照 )。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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