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水およびナトリウムの平衡は相互に密接に依存している。体内総水分量(TBW)は体重の約60%(肥満者の約50%から痩身者の70%にわたる)である。TBWのほぼ2/3が細胞内にあり(細胞内液,ICF),残る1/3は細胞外にある(細胞外液,ECF)。正常ではECFの約25%が血管内にあり,残る75%は間質液である。
水分と電解質代謝: 平均的な70kgの男性の体液区画。図 1: はTBWの分布を表す。
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図 1
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平均的な70kgの男性の体液区画。
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体内総水分量=70kg ×0.60=42L。
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主な細胞内陽イオンはカリウムで,平均濃度は140mEq/Lである。細胞外カリウム濃度は3.5〜5mEq/Lである。主な細胞外陽イオンはナトリウムで平均濃度は140mEq/Lであり,細胞内ナトリウム濃度は12mEq/Lである。
水分中の全溶質の濃度を容量オスモル濃度といい,これは体液中では重量オスモル濃度(浸透圧)に近似する。血清浸透圧は,検査室での測定または下記の式から推定できる:
血漿浸透圧(mOsm/kg)=
ここで,血清ナトリウム濃度はmEq/L,ブドウ糖およびBUNはmg/dLで表される。体液の浸透圧は正常では275〜290mOsm/kgである。ナトリウムが血清浸透圧の主要決定因子である。イオン感受性ではない電極を用いたナトリウム測定の誤差の結果,浸透圧に見かけ上の変化が生じることがある(水分と電解質代謝: 診断を参照 )。浸透圧の測定値が推定値を10mOsm/L以上上回るならば,測定されていないが浸透圧に影響を与える物質が血漿中に存在するものと考えられる(浸透圧ギャップ)。最も一般的なものは,アルコール類(エタノール,メタノール,イソプロパノール,エチレングリコール),マンニトール,およびグリシンである。
水は,低溶質濃度領域から高溶質濃度領域へと自由に細胞膜を通過する。したがって,浸透圧は様々な体液区画をまたいで平衡化する傾向を示し,これは溶質ではなく主として水が移動することで生じる。細胞膜を横切って自由に拡散する尿素などの溶質は,水の移動にほとんど,または全く影響を及ぼさない(浸透圧活性がほとんど,または全くない)が,ナトリウムやカリウムのように1つの体液区画に制限されている溶質は浸透圧活性が高い。張度,すなわち有効浸透圧は浸透圧活性を反映しており,体液区画をまたいで水分を引き寄せる力を決定する(浸透圧力)。浸透圧力は他の力の抵抗を受ける可能性がある。例えば,血漿蛋白は血漿内に水分を引き込む浸透作用が小さく,これは正常では血漿から水分を押し出す血管の静水力によって相殺される。
1日の平均飲水量は約2.5Lである。尿および他の部位からの喪失を補充するために必要な量は,健常成人で約1〜1.5L/日である。しかし,腎機能が正常な平均的な若年成人であれば,毎日わずか200mLを飲水すれば細胞代謝によって発生する窒素老廃物およびその他の老廃物を短期的には排出できる。腎濃縮能がいくらかでも失われている者(すなわち,高齢者;尿崩症,特定の腎疾患,高カルシウム血症,厳格な食塩制限,慢性的な体液量過剰,または高カリウム血症を有する者;エタノール,フェニトイン,リチウム,デメクロサイクリン,またはアムホテリシンBを摂取している者),および浸透圧利尿を来している者(例,高蛋白食または高血糖などによる)では,それ以上の量が必要になる。
それ以外の回避できない水分喪失の大半は肺および皮膚からの不感蒸泄であり,体重1kg当たり平均0.4〜0.5mL/時,すなわち70kgの成人で約650〜850mL/日である。発熱時は,体温が平熱から1℃上昇する毎にさらに50〜75mL/日が失われる。消化管からの喪失は,著明な嘔吐,下痢,またはその両方がない限り通常は無視できる。外界の熱によって発汗からの喪失が深刻となることがある。
飲水量は口渇によって調節される。口渇は,血漿浸透圧の(わずか2%の)上昇または体液量の減少に応答する前外側視床下部の受容体によって誘発される。視床下部機能不全では口渇が生じにくくなる。
水分排泄はADHとしても知られるアルギニンバソプレシンによって主として調節されている。ADHは下垂体後葉から放出され,遠位ネフロンでの水の再吸収を増加させる。ADHの放出は血漿浸透圧の上昇,血液量の減少,血圧低下,またはストレスによって刺激される。ADHの放出は,特定の薬剤(例,エタノール,フェニトイン)および尿崩症によって障害されることがある(下垂体障害: 中枢性尿崩症を参照 )。
1日の最大飲水量は25Lにもなる。大量になると腎臓の希釈能を上回り,血漿浸透圧を急速に低下させる。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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