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Kenneth B. Roberts, MD
経口補液療法は,静注療法に比べて効果的で安全,便利,かつ安価である。軽度から中等度の脱水症のある経口摂取が可能な小児では,頻回の嘔吐または基礎疾患(例,外科的腹症,腸閉塞)によって妨げられないのであれば,経口補液療法を用いるべきである。
溶液:
経口補液は,複合炭水化物または2%ブドウ糖および50〜90mEq/LのNaを含むべきである。スポーツドリンク,炭酸飲料,ジュース,および類似の飲み物は,これらの基準を満たさないので,用いるべきではない。こうした飲料は,一般的にNa-ブドウ糖共輸送を利用するにはNa含有量が少なすぎてブドウ糖が多すぎる上,過度のブドウ糖による浸透圧効果がさらなる水分喪失を引き起こす可能性がある。
経口補液(ORS)はWHOによって推奨されており,米国内では処方箋なしで広く使用されている。ほとんどは粉末として販売され,水道水に溶かして用いる。1包のORSを水1Lで溶かしてできる溶液の成分(単位mmol/L)は,Na
90,K 20,Cl 80,クエン酸塩 10,ブドウ糖 111(標準のWHO-ORS),またはNa 75,K 20,Cl 65,クエン酸塩
10,ブドウ糖 75(容量オスモル濃度を低下させたWHO-ORS)である。この溶液は,水1LをNaCl 3.5g,クエン酸三ナトリウム
2.9g(またはNaHCO3 2.5g),KCL 1.5g,ブドウ糖 20gに加えることによって,用手的に作ることもできる。ORSは,年齢,原因,電解質不均衡のタイプ(低,高,等張ナトリウム血症)を問わず,患児の腎臓が適切に機能している限り,脱水症の患児に有効である。脱水回復後は,高ナトリウム血症を避けるために,Na濃度がより低い溶液を使用しなければならない。
ORSが入手できない場合は,脱水回復期と維持期の間に,成分が類似の砂糖/食塩溶液を使用できる。これは,水1Lに砂糖15mL(大さじ1杯),食塩2mL(小さじ半杯)を加えて調製する。砂糖/食塩溶液は,ORSに比べて効果は劣るが,通常は下痢の治療にはこれで十分である。この簡単な家庭での調製法の広範な使用の主な欠点は,調製ミスの起こる頻度であり,例えば,砂糖大さじ1杯と食塩小さじ半杯ではなく食塩大さじ1杯と砂糖小さじ半杯にする,といった2成分の分量の間違いが特に多い。
投与:
一般的に,軽度の脱水症には4時間かけて50mL/kgを,中等度の脱水症には100mL/kgを投与する。1回の下痢に対して10mL/kg(最大240mL)を追加する。4時間後に患児を再評価する。脱水症の徴候が持続する場合,同量の投与を繰り返す。コレラを有する患児は,1日に大量の水分を必要とする。
一般に,嘔吐があるからといって経口補液を諦めてはならない(腸閉塞または他の禁忌が存在しない場合)。少量を頻繁に投与し,5mLの5分毎の投与から始めて,耐えられれば漸増させる。
一旦欠乏量が補充されれば,Na含有量のより少ない経口維持溶液を使用すべきである。脱水症が回復して嘔吐しなくなるとすぐに,小児は年齢に応じた食事を食べるべきである。乳児ならば母乳または調製乳を再開してもよい。吸収不良の徴候と症状(吸収不良症候群を参照 )を呈する下痢の乳児には,ラクトースを含まない調製乳を与えるべきである。
最終改訂月 2007年5月
最終更新月 2005年11月
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